元北海道コンサドーレ札幌のGKク・ソンユン(26・大邱FC)がKリーグで披露したアシストが話題だ。
【インタビュー】ク・ソンユンは“札幌愛”を忘れない。「本当にありがたいチーム」
ク・ソンユンが所属する大邱FCは去る7月26日にKリーグ1(1部)第13節で釜山アイパークと対戦し、3-0の完封勝利を収めたのだが、この試合で決めた大邱の2得点目が、韓国サッカーファンの間で注目を集めているという。
前半29分、大邱は自陣ペナルティエリア付近で相手のファウルからフリーキックを得た。フィールドプレーヤーはほぼ全員敵陣へと上がり、キッカーはキーパーのク・ソンユンが務めた。
ここからが一瞬の出来事だった。ク・ソンユンのキックが釜山のDFライン後方まで伸びると、ボールに反応したブラジル人FWセジーニャ(30)が胸トラップで瞬時に相手のマークをかわし、ペナルティエリア内で右足を振りぬきゴールネットを揺らしたのだ。
ク・ソンユンのキックからセジーニャのゴールまでかかった時間はわずかに6秒。電光石火のような攻撃から、大邱の2得点目が生まれた。
この驚がくのゴールには多くのKリーグファンが反応。各節のゴールシーンなどが投稿されるKリーグ公式インスタグラムには「まさにワンショット・ワンキル(一撃必殺)」「人間じゃない」といったコメントが寄せられていた。
そもそも、大邱というチーム自体が素早いカウンター攻撃を持ち味としている。自陣でボールを奪取した後、10秒以内にフィニッシュまで持ち込むことを目標とする。
今回のゴールは、中盤を省略し、最後方から最前線へ一挙にフィニッシュへと持ち込む強力なカウンター攻撃によるたまものといえる。ク・ソンユンの正確なキックと、個人技に優れたセジーニャの冷静な決定力が生み出した、絵に描いたようなゴールシーンだった。
特に、広い視野から正確にボールを配給したク・ソンユンの役割が輝いた。大邱率いるイ・ビョングン監督代行は、試合後にこう語っていた。
「ク・ソンユンはキックがとても良い。GKコーチもこうした部分を上手く活用すべきと話をした。それが今回、得点までつながったようだ」
現代サッカーにおいて、キーパーは手(セービング)のみならず足も器用に使いこなしてこそ、トップクラスの選手に認められる。キーパーはビルドアップのスタート地点としての役割を果たしつつも、11人目のフィールドプレーヤーの役割までこなさなければならない。
Kリーグでもその傾向は見られており、今回のク・ソンユン以前からキーパーのアシストがたびたび生まれている。
今シーズンここまで、Kリーグ1~2部ではキーパーのアシストが3回生まれた。また、1~2部リーグ体制が確立した2013年以降から見ると、キーパーのアシストは1部で10回、2部で9回と、毎シーズン少なくとも1~2回は生まれているようだ。
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