“韓国のイチロー”ことイ・ジョンフ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が、米メジャーリーグ2年目のシーズンを終えて帰国。自国代表の不振に言及し、来年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向けた覚悟を語った。
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イ・ジョンフは9月30日、仁川(インチョン)国際空港を通じて韓国に帰国。空港で報道陣の取材に応じた。
イ・ジョンフはメジャー2年目の2025年シーズンを打率0.266、8本塁打、55打点、73得点、10盗塁、OPS(出塁率+長打率)0.734で終えた。打率はチーム内トップであり、イチロー氏と並ぶアジア人最多タイ記録の三塁打12本を放った。
韓国球界を代表する打者らしく、メジャーの舞台でも優れた結果を残したイ・ジョンフ。その好調ぶりを、来るWBCでも披露することが期待される。
本人も強い覚悟を示す。「韓国がこれまで良い成績を残せなかった分、しっかり準備して、今回は必ず良い結果を出さなければならない」と語った。
イ・ジョンフも出場した前回の2023年WBCで韓国は1次ラウンド敗退。2013年、2017年に続き3大会連続での早期敗退となった。
国際大会での不振が続く一方で、今季の韓国プロ野球KBOリーグは史上初めて観客動員1200万人を突破するなど、国内における野球人気は右肩上がり。その熱を国際舞台へ繋げるためにも、代表の成績向上は必須だ。韓国野球委員会(KBO)と各球団も、代表に対する最大限のサポートを公言している。
イ・ジョンフは「KBOの方で、今回はサポートをたくさんしていただける。前回大会は寒い場所で練習し、移動距離や時差に苦しんだ。今回は大きな困難なく、しっかり準備しなければならない」と強調した。
同じプールを戦う日本や優勝候補のアメリカは、メジャーリーガーを総動員した最強布陣を構築中だ。韓国も大会を勝ち抜くためには、“最強メンバー”を揃えることが必要不可欠。『MLB.com』は予想ラインアップでイ・ジョンフを中堅手に指名している。
イ・ジョンフは代表でも存在感を示してきた。通算28試合の出場で打率0.330、OPS 0.956という高い数字が、代表におけるイ・ジョンフの必要性を裏付ける。「アメリカの投手も日本の投手も、(WBCが開催される3月は)全力で投げる時期ではないが、(WBCでは)全力で投げてくる。全員がそこ(WBC)に合わせて体を作っている。我々もそう準備すべきだ」と呼び掛ける。
メジャーでの成長を糧に、さらなる飛躍を誓うイ・ジョンフ。「まだ足りない部分が多い。オフシーズンの間に多くの準備をする。もし代表に選ばれることになればベストを尽くす。今回は言い訳なく、しっかり準備しなければならない」と力を込めた。
◇イ・ジョンフ プロフィール
1998年8月20日生まれ。日本・愛知県名古屋市出身。身長185cm。韓国のプロ野球選手。サンフランシスコ・ジャイアンツ所属。父親は1998~2001年に中日ドラゴンズに在籍したイ・ジョンボム(李鍾範)。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、同年の新人王を受賞。ゴールデングラブ賞(NPBのベストナインに相当)に2018~2022年の5年連続で選ばれており、2022年はシーズンMVPと打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高長打率、最高出塁率)に輝いた。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した。2023年12月13日、米メジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(日本円=約164億円)で契約した。愛称は「韓国のイチロー」。
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