「光州FCのようなチームはACLに進むべきではない」
これは光州(クァンジュ)FCを率いるイ・ジョンヒョ監督の言葉だ。
2024-2025シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)では、韓国Kリーグ勢の“代表的クラブ”とも言える蔚山(ウルサン)HD FCや浦項(ポハン)スティーラーズといったチームが軒並みリーグステージで敗退した。
そんななか、地方自治体が運営する市民クラブであり、今回が初のアジアの舞台となる光州だけが唯一ベスト16進出を果たした。
これは喜ばしいことではあるが、異なる見方もある。「光州のように投資をしなくても、良い選手がいなくても、施設が不足していても、監督さえ優れていればACLベスト16まで進めるのではないか?」と簡単に考えられてしまう可能性があるからだ。
だが、莫大な資本を投じたクラブが投資に見合った結果を出せなければ、リーグ全体の好循環の構造が断ち切られる可能性がある。イ・ジョンヒョ監督はこの点を懸念していたのだ。
とはいえ、いざ試合が始まると指揮官は勝利のために全力を尽くした。
ヴィッセル神戸とのラウンド16第1戦の前には、「これまで選手、クラブ、スタッフが本当に多くの努力をしてここまで来た。“関心の外”にいた光州FCと選手たちが、厳しい逆境を乗り越えて1つ目の目標を達成したが、決して簡単な道のりではなかった。ベスト8に進み、選手たちにより良い経験をさせてあげたい」と先を見据えていた。
光州は戦力面で“絶対的劣勢”だった。アウェイの第1戦は0-2の完敗。ホームで3点差以上の勝利を収めなければベスト8進出が不可能という状況に追い込まれた。
それでも、光州は決して諦めなかった。「神戸とは10回対戦しても10回負けてしまうと言ったが、それはリーグステージの話だ。我々がKリーグでどのように試合をすべきか教訓を得る」とは指揮官の言葉だ。
イ・ジョンヒョ監督、そして光州が成し遂げた奇跡のベスト8進出は“精神力”を抜きに説明することはできない。それほど劇的な勝利だった。
3月12日、光州ワールドカップ競技場で迎えたラウンド16の第2戦。光州は前半にFWパク・ジョンイン(24)の先制点で1点を返すと、後半終了間際にアルバニア代表FWヤシル・アサニ(29)のPK成功で2-0とし、2戦合計スコア2-2と振り出しに戻す。そして延長後半13分、アサニが左足で強烈なミドルシュートを突き刺し、大逆転でのベスト8進出を決めた。
ACLE準々決勝以降は4月25日からサウジアラビアで集中開催され、1試合制のノックアウト方式で行われる。
光州の「ジョンヒョ・ボール」はどこまで通用するのか。また、イ・ジョンヒョ監督に限界はあるのか。何度も「無」から「有」を生み出してきた指揮官なだけに、ACLEでのさらなる挑戦に注目が集まる。
(記事提供=OSEN)
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