【沈韓】パリ五輪開幕前は「最小最弱」と懸念された韓国、金13個で「パリの奇跡」【今年の重大ニュース】

2024年12月31日 スポーツ一般 #パリ五輪

2024年もあっという間に年末を迎えた。日本はもちろんのこと、お隣・韓国の芸能界でも大小さまざまな出来事があったが、あなたの最も印象に残ったニュースはなんだろうか。

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そこで、スポーツソウル日本版編集部では韓国芸能界の「2024年5大ニュース」をさまざまなジャンルに分けて選出。ポジティブな話題から人々を驚かせた騒動まで、今年1年間で注目を集めた話題をまとめてみた。

今回は「スポーツ」のジャンルより、“歴代最少規模の選手団”で“歴代最多タイの金メダル獲得”を達成した韓国のパリ五輪を振り返る。

開幕前には「歴代最弱」とも…韓国のパリ五輪の“軌跡”

パリ五輪開幕前までは、「歴代史上最小規模」「歴代最弱」といった悲観的かつ懸念の声も絶えなかった韓国。

その声に日本メディアも反応し、「沈韓」と報じられたことに韓国の著名な大学教授が激怒する一幕もあったが、終わってみれば韓国はメダル数で過去最多タイを記録した。

今回のパリ五輪。韓国は1976年モントリオール大会(50人)以後、歴代最小規模の144人(21種目)の選手団をパリに派遣したが、金メダル13個、銀メダル9個、銅メダル10個を獲得し、総合順位8位になった。

シン・ユビン
(写真提供=OSEN)シン・ユビン

3年前の東京五輪では金メダル6個、銀メダル4個、銅メダル10個の計20個のメダルに止まり、総合順位も16位。総合順位としては1984年ロサンゼルス五輪以後、最も低かった。

まして、今回のパリ五輪では男女サッカー、男女バスケ、男女バレー、男子ハンドボールで本大会出場に失敗。団体球技で唯一、パリ行きの飛行機に乗れるのは女子ハンドボールだけということもあって、目標設定も控えめだった。

大韓体育会(KOC)はパリ五輪で「金メダル5個」「総合15位以内」を目標に掲げていたのだ。

ところが、韓国は大会3日目には目標の金メダル5個を達成し、その後もその流れは止まらず、最終的には金メダル13個を獲得した。これは2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪で記録した単一大会最多金メダル(13個)と並ぶタイ記録だ。

オ・サンウク
(写真提供=OSEN)オ・サンウク

獲得したのは金メダルだけではない。アーチェリー(金5、銀1、銅1)をはじめ、射撃(金3、銀3)、フェンシング(金2、銀1)、テコンドー(金2、銅1)、バドミントン(金1、銀1)、柔道(銀2、銅3)、卓球(銅2)、重量挙げ(銀1)、近代5種、ボクシング、水泳(以上は銅1)など、さまざまな分野でメダルを獲得し、その合計は32個になった。

これは地元開催となった1988年ソウル五輪(33個)に続いて二番目に多い。金メダル、全体メダル数だけ見れば2008年北京五輪とほぼ似たような成果を出したわけだ。

選手団が前回の東京五輪(232人)と比較して、著しく少なかった点(144人)も見逃してはならない。人数では劣っても、選手の質では東京五輪の時よりも良かったと解釈する声もあるほどだ。

イム・シヒョン
(写真提供=OSEN)イム・シヒョン

また、結果だけではなく内容面も印象的だった。

例えばアーチェリー。韓国は世界最強を誇るが、今回の出場選手たちは以前より経験値が低い選手も選ばれており、懸念する声も多かった。だが、結果的にはアーチェリー全種目を総ナメにし、男子部ではキム・ウジン、女子部ではイム・シヒョンが揃って3冠王を達成した。射撃では歴代最高の金メダル3個と銀メダル3個を獲得し、フェンシングでもオ・サンウクが個人戦と団体戦を席巻した。 いわゆる「弓・銃・剣」の強さが目立った。

また、東京五輪ではノーゴールドだったテコンドーは金メダル2個と銅メダル1個を獲得し、水泳でもメダリストが生まれた。

このほか、女子ボクシング(銅メダル)、女子重量挙げ(銀メダル)など、最近の大会でメダル獲得がなかった種目でもメダル獲得があった。

射撃のパン・ヒョジンとオ・イェジン、テコンドーのパク・テジュン、キム・ユジン、近代五種のソン・スンミンなど、10代中盤から20代前半の選手が表彰台に上がってメダルを手にしたことも、韓国スポーツ界には朗報だったと言えるだろう。

キム・イェジ
(写真提供=OSEN)キム・イェジ

大会中には新たなスターも生まれた。

射撃女子10mエアピストルの銀メダリストとなったキム・イェジは、あのイーロン・マスク氏がXで反応したことで一躍、世界的な有名人になった。

韓国女子柔道に8年ぶりの銀メダルをもたらしたたホ・ミミは、韓国人の父親と日本人の母親の間に生まれ、独立運動家ホ・ソクの子孫というストーリーが関心を引いた。卓球の天才少女として国民的人気を誇るシン・ユビンは混成ダブルスと女子団体で銅メダルを手にし、その知名度をさら高めた。

ホ・ミミ
(写真提供=OSEN)ホ・ミミ

だが、大会期間中は思わぬ出来事やハプニングもあった。最も衝撃的だったのは、バドミントン女子シングルスで金メダルに輝いたアン・セヨンの発言だろう。

歓喜に酔いしれる間もなく韓国バドミントン協会をストレートに批判した発言は大きな波紋を呼び、帰国後もこの問題は収まっていない。

アン・セヨン
(写真提供=OSEN)アン・セヨン

むしろ、スポーツ団体を統括する文化体育観光部(日本の文部科学省に相当)が、韓国バドミントン協会の調査に乗り出すことになった。政府からの補助金の使い方などにもメスが入りそうで、五輪を目指すエリート選手とその種目団体との関係性が見直される契機になるかもしれない。

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