8月21日、美しい韓国語の校歌が鳴り響いたのは、ほかならぬ日本の兵庫県にある阪神甲子園球場だった。
“夢の舞台”と呼ばれる全国高校野球選手権大会、通称「夏の甲子園」で韓国語の校歌を歌ったのは、在日韓国人向けの民族学校を前身とする京都国際高校野球部の選手たちだ。
そんな京都国際の校歌は、来る23日、日本の全国民が注目するなかでもう一度響き渡る予定だ。
京都国際は21日に行われた第106回全国高校野球選手権大会の準決勝で、青森山田高校に3-2で逆転勝利し、史上初の甲子園決勝に駒を進めた。
同日、京都国際は初回に2失点を喫したが、6回に訪れたチャンスを逃さず3打点を挙げ、逆転勝ちを収めた。
同校は在日コリアンが通う「京都韓国学園」を前身とし、2004年に学校教育法第1条の認可を受け、現在の「京都国際中学・高校」となった。
現在は全生徒の90%が日本人である。同日、決勝進出を果たしたメンバーも全員日本人だ。
にもかかわらず、学校の校歌は依然として韓国語だ。日本の公共放送NHKが全試合の中継を担当する甲子園では、勝利した学校の校歌が試合後に流される。京都国際では、「東海(トンヘパダ)を超えてきた」で始まる韓国語の校歌を採用している。
そんな京都国際は今年の初め、韓国プロ野球球団のKIAタイガースと縁を結んだ。
今年2月、KIAのシム・ジェハクGM(ゼネラルマネージャー)が日本の高知県で行われた二軍の春季キャンプを訪問した際、現地の同胞から京都国際の厳しい事情を聞いた。
野球部員たちがあまりに古くなった野球ボールにビニールテープを巻き、“再利用”して練習で使用しているということだ。
KIAの関係者は本紙『スポーツソウル』に、「GMが京都国際高校の残念な事情を聞き、助ける方法を探していた。そこで、当時二軍キャンプで使用したボールのなかで、綺麗なボール1000個を学校に送った」と伝えた。
このようなKIAの支援もあってか、京都国際は今回の甲子園で初の決勝進出という新たな歴史を書いた。
京都国際の吉報をKIAも一緒に喜んだ。
この日の決勝進出について、KIAのシム・ジェハクGMは「甲子園球場で響かせた韓国語の校歌が本当に感動的だ。決勝進出を祝福したい」と、京都国際に祝福のメッセージを送った。
シムGMは「京都国際高校が20年前の野球ボールを使っていた。我々はただ公認球を送っただけだが、(甲子園決勝進出の快挙を)果たしてくれた。学校側が球団にずっと感謝していた。甲子園の試合にも招待してくれたが、仕事が忙しく、日本には行けなかった」と伝えた。
KIAと京都国際の縁はこれからも続く予定だ。シムGMは「今後も助ける方法を探し続ける」とし、交流を続けることを強調した。
今年は甲子園球場の開場100周年という記念すべき年だ。
そんななか、23日に迎える関東第一高校(東京都)との決勝で、京都国際が史上初の優勝という快挙を成し遂げることができるだろうか。
日本全国だけでなく、韓国国内でも甲子園決勝に注目が集まっている。
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