今回の五輪でもキム・ジェドク(20)の「ファイティン!」が会場に鳴り響いた。
アーチェリー男子韓国代表のキム・ジェドクは「ファイティン」の男だ。前回の2021年東京五輪では、試合のたびに大きな掛け声を発してチームの士気を高め、話題を集めた。
当時はまだ17歳と高校生だったが、男子団体と混合団体で金メダルを獲得し、2冠に輝く実力を発揮した。東京で誕生した韓国アーチェリー界の新たなスターの一人だ。
あれから時間が経ったが、キム・ジェドクは現在もそのキャラクターを維持している。
7月30日、フランス・パリのアンヴァリッドで行われたパリ五輪アーチェリー男子団体の準々決勝から決勝までの間、キム・ジェドクはイ・ウソク(26)とキム・ウジン(32)の年上2人の後ろで熱心に「ファイティン!」を叫び続けた。
叫び続けるが故にハプニングもあった。
準々決勝で日本と対戦した際には、日本の選手に向かって叫んだことで審判から注意を受けた。
公式な警告ではなかったが、審判が見るには不適切だと判断するほど、キム・ジェドクの叫び声は大きかった。
一種の挑発にも近い彼の大声は、普段のアーチェリー場では容易に見られない場面であることも事実だ。
キム・ジェドクの咆哮は仲間も驚かせている。イ・ウソクは「実際、少し驚くことはある。練習より実戦で声が大きくなる」と率直な考えを明らかにした。
かといって、試合の邪魔になるわけではない。イ・ウソクは「ジェドクの声を聞くと、自分も一緒にしなければならないと感じる。そうすれば、もっとファイトするようになる。一緒にやればできるという気がする。おかげで楽しく試合ができる」と話した。
キム・ウジンも「ジェドクと一緒にいると同化する。緊張が楽しい感情に変わる」とし、キム・ジェドクの叫びがチーム全体にポジティブな効果をもたらしていると明かした。
何より、ただ単に大声を出しているわけではない。
キム・ジェドクはフランスとの決勝で、自身が射った6発中5発を10点に命中させた。1発のみ8点のミスがあったものの、残りはいずれも満点を記録し、韓国の5-1の完勝に貢献した。
キム・ジェドクの活躍によって韓国は金メダルを獲得し、五輪のアーチェリー男子団体3連覇に成功した。
2004年のキム・ジェドクはまだ20歳にもかかわらず、すでに五輪の金メダルを3個も手にしている。今大会だけでもまだ個人戦が残っており、今後あと何度五輪に出場するかは見当もつかない。
ただ確かなことは、キム・ジェドクが韓国アーチェリーの現在であり、未来だという事実だ。
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