敵地で浦和レッズを破るなど、重要だった2連戦を終えた浦項(ポハン)スティーラーズが選択の岐路に立たされている。
キム・ギドン監督率いる浦項は10月24日、アウェイの埼玉スタジアム2002で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループJ第3節で浦和に2-0で勝利した。
ACL3連勝をマークした浦項は勝ち点9でグループ首位の座を固め、2位の浦和(勝ち点4)との差をさらに広げた。
浦項は現在、3つのコンペティションを並行している。Kリーグ1(1部)、ACL、そしてFAカップだ。
Kリーグ1では首位の蔚山現代(勝ち点67)に次いで2位(勝ち点59)に位置している。残り4試合で8ポイント差と、逆転が事実上難しい格差だ。
ただ、2位の座を死守する必要がある。3位の光州(クァンジュ)FCが2ポイント差の勝ち点57と追撃を続けている。最終節には直接対決も控えているだけに、最後まで安心することはできない。
浦項は日本遠征の疲労を解く暇もなく、次は28日に全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとのKリーグ1第35節を戦う。こちらも再びアウェイでの試合だ。
キム・ギドン監督が全北戦でターンオーバーを敷く可能性はゼロではない。指揮官が頭のなかで構想したシナリオは確かに存在する。
キム監督は10月の代表戦明けから最初の2連戦の結果次第で、選手起用の幅と構想が変わりかねないと余地を残していた。
浦項は“最初の2連戦”で、10月20日の仁川(インチョン)ユナイテッドとのKリーグ1第34節は1-1と引き分け、昨日の浦和戦は貴重な勝利に成功した。
そして、今度は難敵・全北とのアウェイゲームを戦うわけだが、リーグ戦2位の座が危うい状況で大幅なターンオーバーはともすれば負担になりかねない。
全北戦以降も連戦は続く。
11月1日には再びアウェイで、今度は済州(チェジュ)ユナイテッドとのFAカップ準決勝を戦う。勝利した場合、中2日で4日に決勝をこなさなければならない過密日程だ。なお、決勝はホームでの開催となる。
浦項は1973年のチーム創設から今年で50周年を迎えた。だからこそ、節目の年にふさわしい優勝トロフィーを望んでいる。キム監督も選手も、フロントもタイトルへの思いは強い。
リーグ戦優勝は事実上難しくなった。好調が続くACLも、欧州トップクラスの選手を退去連れてきたサウジアラビア勢に勝つことは容易ではないのが現実だ。
最大のアクシデントは負傷者だ。現在、浦項では負傷者が相次いで発生している。
MFオーベルダン(28)は左膝内側側副靭帯断裂、DFヴァンデルソン(34)は右下顎骨骨折と、2人のブラジル人選手が今季絶望。元ジュビロ磐田、サガン鳥栖、V・ファーレン長崎のFWペク・ソンドン(32)も1カ月以上離脱が続いている。復帰したDFシム・サンミン(30)も完璧な状態ではない。
直近のリーグ戦を腰の負傷で欠場したオーストラリア人DFアレックス・グラント(29)が、浦和戦でベンチ入りしたことはまだ幸いだ。
浦和戦で先制ゴールを決めるも、前半30分にハムストリングを痛めてプレー続行が不可能となったFWチョン・ジェヒ(29)は、ひとまず痛みはなく、歩くことも可能だという。帰国後、検査を受ける予定だが、彼も離脱となれば浦項としては相当な“悪材料”となることは間違いない。
浦和とは次回、11月8日にホームの浦項スティールヤードで行われる第4節で再び激突するが、それまでに最大3連戦のハードな日程が続く。第4節を終えた直後、12日にはアウェイで首位・蔚山とのリーグ戦上位対決が待ち構えている。
シーズン終盤にかけて一つも落とせない試合が続くなか、主力の負傷離脱に苦しめられている状況で、キム監督はどのような采配を見せるだろうか。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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