「台湾の勝利を“韓国の早すぎたセレモニー”のおかげと考えることもできるが、ほかの人たちは台湾選手の粘り強さの結果だと主張するだろう」
10月2日、台湾メディア『フォーカス台湾』は杭州アジア大会・ローラースケートの男子3000mリレー決勝において、最後の最後で韓国相手に大逆転劇を繰り広げた自国代表を褒めたたえ、このように伝えた。
チェ・インホ(22)、チェ・グァンホ(30)、チョン・チョルウォン(27)で構成されたローラースケート男子韓国代表は同日の決勝で、最後の瞬間に油断をしてまさかの逆転負けを喫した。
韓国は4分5秒702とし、台湾(4分5秒692)とわずか0.01秒差でリードされて銀メダルに終わった。
考えられないような“アーリーセレモニー”が逆転負けの口実となった。
最終走者のチョン・チョルウォンは勝利を確信し、ゴールラインを通過する前に両腕を上げて喜びをあらわにしていた。その間、必死に猛追していた台湾の黄玉霖が足を伸ばし、逆転に成功した。
台湾代表チームの趙祖政は『フォーカス台湾』に対し、「我々も最終結果に確信できなかった。ただ、最善を尽くしたし、少なくとも台湾のためにメダルを獲得できたことに満足しなければならないと思った。ところが、主審が手振りで“1”の信号を送ったのを見て驚いた。そして、黄玉霖に我々が勝ったことを知らせようとした」と伝えた。
黄玉霖は、チョン・チョルウォンがゴールライン通過前に腕を上げている様子を見たと話した。
「彼(チョン・チョルウォン)が警戒を緩めたとき、10m程度しか残っていないと思った。何も考えずに(ゴールラインまで)走った」
そして、「このような結末は練習中に想像していたいものではなかった。我々が数年間練習して積み重ねてきたものを、一度に出すことができたようだった」とし、「我々3人と負傷したほかの仲間たちは、皆10年間国家代表チームで活動した」と自負心を示した。
『フォーカス台湾』によると、黄玉霖は1000mで失格した際に涙を流したという。
また、趙祖政は1000mで銅メダルを獲得したものの、試合直後に自らのパフォーマンスに失望したニュアンスを漂わせ、スケート選手を辞めて大学院での学位取得に集中するという意志を示していた。
ただ、今回の驚きの金メダルによって、台湾の選手たちは新たなモチベーションを手にし、新たな未来を描くことができると予想される。韓国ローラースケートの痛恨の油断が、まさに台湾にとって歓喜と希望の要素となったわけだ。
ちなみに、成人男子に兵役義務が設けられている韓国では、アジア大会で金メダルを獲得した場合、「芸術・体育要員」資格を得て兵役特例の恩恵を受けることができる。
また、ローラースケートが次回の2026年愛知・名古屋大会以降からアジア大会の種目から外れるため、ローラースケートの選手にとっては今回がラストチャンスとも言えた。
しかし、男子3000mリレーで最後の最後に金を逃したことにより、同レースに出場したメンバーのうち、持病の潰瘍性大腸炎で兵役が免除されているチェ・グァンホを除き、チェ・インホとチョン・チョルウォンの2人は入隊が避けられない状況となった。
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