パリ・サンジェルマン(PSG)の韓国代表MFイ・ガンイン(22)が負傷により離脱することになった。
PSGは8月22日、イ・ガンインが左大腿四頭筋を負傷したことを発表した。
併せて、「少なくとも次の国際Aマッチ休息期までは治療を受けなければならない」と伝えた。
次回の国際Aマッチ期間は9月4日から12日までだ。PSGが「少なくとも」という表現を使ったのを見るに、イ・ガンインは約3週間、試合出場が不可能になるとみられる。
回復スピードや状態によって、離脱期間が延びる可能性もあるだけに、イ・ガンインの状況を引き続き見守らなければならないものとみられる。
PSGの発表通りであれば、イ・ガンインは韓国代表の欧州遠征に参加することができない。
韓国代表は9月8日にウェールズのカーディフ・シティ・スタジアムでウェールズ代表、13日にイングランドのセント・ジェームズ・パークでサウジアラビア代表と対戦する予定だ。
韓国代表率いるユルゲン・クリンスマン監督は、杭州アジア大会のU-24韓国代表メンバーに選ばれたイ・ガンインに関して、A代表の試合出場を最優先順位に挙げたが、期待とは裏腹にイ・ガンインを2試合で活用できないものとみられる。大きな異変がない限り、イ・ガンインは9月、A代表に合流できない。
クリンスマン監督は就任以降、今年3月と6月のAマッチ計4試合を戦ったが、未だ勝利がない。来る9月の2連戦に向けて焦る気持ちもあるはずだ。
だからこそ、ファン・ソンホン監督率いるU-24韓国代表への早期合流の要請を断ってまで、イ・ガンインのA代表招集を望んだ。
しかし、予期せぬ負傷離脱によって、韓国はイ・ガンイン不在でウェールズとサウジアラビアを相手にしなければならなくなった。クリンスマン監督にとっては巨大な悪材料だ。
また、杭州アジア大会を控えるファン監督にとっても、イ・ガンインの負傷離脱は嬉しくないニュースだ。
イ・ガンインはすでにA代表の主力選手であり、PSGという欧州屈指のビッグクラブに所属する優秀な選手である。直近1年間はU-24代表でともにできなかったが、ファン監督はイ・ガンインに対する信頼と期待もあり、杭州アジア大会の最終エントリーに彼を含めた。
U-24韓国代表の杭州アジア大会初戦は、来る9月19日のクウェートとのグループステージ初戦だ。なお、成人男子に兵役義務が設けられている韓国では、アジア大会で金メダルを獲得した場合、「芸術・体育要員」資格を得て兵役特例の恩恵を受けることができる。
そのこともあり、イ・ガンインが本大会までに負傷から回復できなければ、大きな問題になる。
負傷から回復したとしてもリスクがある。コンディションを100%まで取り戻せないまま大会に臨めば、また別の負傷、あるいは本来のパフォーマンスを発揮できない危険が伴う。
U-24韓国代表において絶対的な比重を占めるイ・ガンインが試合に出られず、実力を見せることができなければ、良い成績を記録する可能性は著しく低くなる。
結局、ファン監督はイ・ガンインの回復スピードが最大のカギになると見ている。イ・ガンインがどれだけ早く負傷から回復し、コンディションを正常な軌道に引き上げるかによって、U-24韓国代表の運命も変わる可能性がある。
イ・ガンインは今夏の移籍市場でマジョルカからPSGに加入した。
今年7月のプレシーズンマッチでは先発出場したが、その際に右太ももを負傷して日本ツアー3試合を欠場。その後、韓国での全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース戦で復帰し、今季リーグ・アン開幕から第2節まですべて先発出場したが、第3節を控えて不意の負傷で戦力を離れることになった。
わずか1カ月の間に2度の負傷だ。イ・ガンインとしても悔しい離脱であることは間違いないだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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◇イ・ガンイン プロフィール
2001年2月19日生まれ。韓国・仁川広域市出身。身長174cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。幼少期に出演したKBSサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で類まれなる才能を発揮し、“神童”として一躍注目を集めた。2011年にスペインに渡りバレンシア下部組織に入団し、2018年10月にトップチームで公式戦デビュー。2021年夏にフリーでマジョルカに加入、2023年夏にフランスのパリ・サンジェルマンに完全移籍。マジョルカ時代の同僚である日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)とは同じ2001年生まれで、普段から仲が良いことで知られている。
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