大谷に「故意死球」発言の韓国投手が語る悪夢のWBC…涙ぐむ姿も「投げたかったが、ダメだった」

「試合で挑戦すれば失敗することはあるといつも思っていた。しかし、今回は挑戦もできなかった。だから…」

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常に元気だった。例え最悪のセーブ失敗を犯しても、翌日になれば明るい姿で次の試合の準備をしていた。まさに生まれながらに屈強なメンタルを持ち、誰よりもクローザーに適しているように見えた。

だが、鋼鉄の心臓を持つ彼も、“3月の苦痛”は何よりも大きな傷として残った。

韓国プロ野球KBOリーグのLGツインズ不動の守護神であるコ・ウソク(24)が、2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で味わった挫折の瞬間を振り返り、目頭を熱くした。

WBC直前に負傷…「何とか投げようとしていた」

完璧な復帰戦だった。コ・ウソクは4月18日、蚕室(チャムシル)球場で行われたNCダイノス戦で9回に登板し、1回15球を投げて3奪三振の無失点を記録した。

試合は延長10回の末にLGが4-6で敗れたが、人々の関心はコ・ウソクに集まった。というのも、彼が実に約1カ月ぶりにトップレベルの舞台で登板を果たしたからだ。

コ・ウソクは去る3月6日、WBC直前に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズとの強化試合で負傷降板した。

当時、7回途中から登板したコ・ウソクは同回を無失点で切り抜けるも、8回途中に肩の違和感を訴えた。直後、トレーナーがマウンドに駆け付け状態を確認し、プレー続行が困難と判断され、わずか12球でマウンドを降りた。

試合後、大阪市内の病院で検査した当時は「単純な筋肉痛」と診断され、WBCでの登板も可能と見られていた。だが、大会期間は1試合も登板せず、韓国代表の1次ラウンド敗退をベンチで見守った。

韓国帰国後のMRI検査では、右肩の回旋筋腱板の筋肉痛の一つである棘上筋に炎症があると診断された。以降、リハビリ軍での回復と2軍での調整を経て、今回ようやく1軍に戻ることができた。

復帰戦となったNC戦では最速156kmを記録した。球威のあるストレートはもちろん、スライダーやカーブなど自らの武器を思う存分に投げ尽くした。

オリックス戦で負傷降板したコ・ウソク

コ・ウソクは試合翌日の19日、報道陣との取材で復帰戦を振り返り、「思ったより球速が良かった。2軍のコーチ、トレーニングコーチ、そして選手たちに感謝したい。たくさん配慮してくれて、助けてくれた。2軍で助けてくれた人々が多かったからこそ、このように上手く復帰することができた」と語った。

また、「2軍がどれだけ大変なのかが今回改めて分かった。フューチャーズリーグ(2軍)の遠征に行ったとき、スピードガンもまともに整備されておらず、劣悪な環境が多々見られた。2軍の選手を見て気を引き締めたし、モチベーションにもなった」と伝えた。

無念のWBC出場なしを味わった3月について聞くと、コ・ウソクは残念な様子を隠さなかった。

「3月の挫折を乗り越える過程が心的に大変だったはずだ。コンディションが悪かったにもかかわらず、東京ドームではキャッチボールをする姿が写真に収められていた」という言葉に、コ・ウソクは「当時は何とか投げようとしていた。必ずマウンドに立つために何でもしようとした。しかし、ダメだった。ずっと腕の調子が悪く、結局出場できなかった」と残念がった。

そして、「正直、試合に出ても何もできなかったり、失敗したりするかもしれない。今まではいつも挑戦して、失敗しても大丈夫だと思っていた。失敗したとしても次にもっと上手くやればよいので、失敗するたびに次の目標意識を大きく持っていた」とし、「しかし、今回は挑戦もできなかった。挑戦しようとすることさえできなかった。だから…」と言葉を続けられず、涙ぐむ様子を見せた。

それでも、コ・ウソクは一生懸命話を続け、「だから、常に厳しくトレーニングをしてきた。怪我をしてしまえば出られなくなるので、準備も徹底した。毎回開かれるような大会ではない。韓国代表にいつも選ばれるとは確信できない。WBCに行って失敗すれば、実力を認めてさらに強くなることができるが、試みることさえもできなかった」と、当時感じた悪夢を率直に明かした。

1軍復帰戦でのコ・ウソク

それでも諦めることなく、再びトップコンディションで帰ってきた。落胆し、挫折するより、次のことを考えてもう一度準備した。18日の復帰戦で見せたように、もっと強くなって帰ってくることを誓った。

WBC出場こそ叶わなかったコ・ウソクだが、次の国際大会となる9月の杭州アジア大会ではメンバーに選ばれる可能性がある。

「これまで、結果が良くないからと言って代表を避けたいと思ったことは一度もない。常に光栄な場所であり、胸が躍る場所であることは変わらない」というコ・ウソクは「引き続き技量を積み上げながら、再び機会が来れば必ず良い成績を出す」と強調した。

加えて、「先ほども言ったように、厳しい時期に2軍に行ったことで、再び気を引き締めることができた。今も苦労してトレーニングをし、試合をする選手が多いということを改めて感じた。厳しい状況でも最善を尽くす2軍選手たちを見ながら、自分も頑張らないわけにはいかなかった」と伝えた。

まだコ・ウソクが投げなければならない舞台は多く残されている。直近の杭州アジア大会はもちろん、3年後のWBCもある。韓国球界はイ・ジョンフ(24、キウム・ヒーローズ)、コ・ウソクなどを主軸に代表のリニューアルを計画している。

コ・ウソクは最後に、「代表とチームの両方を充実させたい。所属チームのLGが、自分に対する期待を反映して年俸をくださる。そして、代表は無条件で上手くやらなければならないポストだ。これからはどちらの2つも本当に上手くやりたい」と覚悟を固めた。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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