日本の怪物投手は疲れもしない。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝を経験した侍ジャパンの主力投手たちが、シーズン初登板でそろって初勝利を収めた。
WBC優勝メンバーの佐々木朗希(21、千葉ロッテマリーンズ)、山本由伸(24、オリックス・バファローズ)、髙橋宏斗(20、中日ドラゴンズ)が、4月6日に行われたプロ野球で同時に出場した。
彼らはWBC終了後、コンディション調整のため2023年シーズン開幕戦での登板を回避していたが、この日がそろっての初登板となった。
3人はいずれも勝利を収め、最高球速も佐々木が164km、山本が158km、髙橋が156kmを記録。奪三振数は合計25個と、全員が力強いシーズンスタートを切った。
佐々木は本拠地ZOZOマリンスタジアムでの北海道日本ハムファイターズ戦で、6回までに予定されていた球数80球を達成し、1被安打、無死四球、11奪三振の無失点で勝利した。
秒速10mの強風をものともせず、最速164kmの剛速球にフォークボールを織り交ぜ、11個もの三振を奪った。初回に万波中正(23)に打たれた安打が、唯一許した出塁だ。
山本も本拠地の京セラドーム大阪で、福岡ソフトバンクホークスの強力打線を6回2被安打、2四球、6奪三振の無失点で封じ込めた。
投球数85球で最速158kmの速球、120km台のカーブなどを駆使し、緩急をコントロールした。山本の好投でオリックスは連敗を「3」で脱し、勝率5割を記録した。
侍ジャパン最年少だった髙橋も、6回1被安打(1被本塁打)、2四球、8奪三振、1失点のクオリティスタートで初登板初勝利を飾った。
昨季本塁打王の村上宗隆(23、東京ヤクルトスワローズ)を空振り三振含む2打数無安打で封じ込めた髙橋は、6回まで95球を投げて最速156kmの速球とスプリット、カットボールを駆使した。
一方の米メジャーリーグでは、侍ジャパン優勝の立役者である大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)も、投手として2試合に登板して1勝、防御率0.75、18奪三振を記録した。
最速100.7マイル(約162.1km)と疲労を感じさせないストレートはもちろん、今月6日(日本時間)のシアトル・マリナーズ戦では111球を投げる闘魂まで発揮した。
侍ジャパン最年長選手だったダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)も、初登板となった5日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で5回3被安打、4四球、2死球、3奪三振の1失点を記録。若干の苦戦を強いられたが、大崩れすることはなかった。最高球速は95.8km(約154.2km)だった。
WBCで最も多い7試合を戦い、全勝優勝を果たした日本なだけに、主軸投手の負担は少なくなかった。実際、大会期間に大谷は3試合9.2回、佐々木は2試合7.2回、山本は2試合7.1回、ダルビッシュは3試合6回、髙橋は3試合3回を投げた。
だが、どの投手もWBCの後遺症なく、順調に新シーズンのスタートを切った模様だ。
疲れ知らずの日本の怪物投手たちは、その勢いをシーズン中にどれだけ継続できるか。今後の活躍も注視していきたい。
(記事提供=OSEN)
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