八百長犯を赦免しようと試みた韓国サッカー協会(KFA)が国内で猛非難に遭うなか、イ・ヨンピョ副会長、イ・ドングッ副会長、チョ・ウォニ社会貢献委員長が騒動の責任を負って辞職を表明した。
イ・ヨンピョ副会長は4月3日夜、自身のインスタグラムを更新。
「韓国のすべてのサッカーファンに申し上げる文」とし、「理事会通過を防げなかった責任を負い、サッカー協会副会長職を退きます。副会長としてその役割を十分に果たせず、申し訳ない気持ちです」と伝えた。
そして、同じ時間帯にイ・ドングッ副会長、チョ・ウォニ委員長もそれぞれインスタグラムで辞意を表した。
イ・ドングッ副会長は「競技人出身として経験と自信を持って申し上げ、防げなかった責任感を感じています。全面的に責任を痛感しています」とし、「現時間付で副会長職を辞めます」と伝えた。
チョ・ウォニ委員長も「当時の理事会にいた人間の一人として、サッカーを愛するファンの方々を傷つけてしまったことに、心より謝罪いたします」とし、辞職を表明していた。
イ・ヨンピョは2002年日韓大会から3大会連続でW杯に出場したほか、PSVアイントホーフェンやトッテナム、ドルトムントなど欧州各国を渡り歩いた元選手。
イ・ドングッは「韓国サッカー界のレジェンド」と知られ、韓国代表として国際Aマッチ105試合33ゴールを記録したほか、Kリーグで通算548試合に出場し、歴代最多228ゴールを記録した。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも数多くのJリーグクラブと対戦し、通算53試合37ゴールと歴代2位の得点記録を保持している。
チョ・ウォニも現役時代に大宮アルディージャに在籍した経験があるなど、韓国で長く活躍した選手だった。
これに先立ち、KFAは去る3月28日、韓国代表対ウルグアイ代表が行われたソウルワールドカップ競技場で理事会を開催。
そこで、2011年の大規模なKリーグ八百長事件に関与して除名された選手48人を含め、各種不正行為で懲戒中のサッカー関係者100人に対する「赦免措置」を議決した。
しかし、世論の意見を聞き入れることなく、協会内で独断的に八百長犯などを再びサッカー界に送り込もうとした行為に非難が殺到すると、議決から3日後の31日に臨時理事会を開き、赦免措置を電撃的に撤回。チョン・モンギュ会長が謝罪を表明していた。
そして今回、現役時代に韓国代表としても活躍したイ・ヨンピョ副会長、イ・ドングッ副会長、チョ・ウォニ委員長の3人が辞職を表明したわけだが、実際のところ、今回の赦免案を主導したのは一部の高官だった。
イ・ヨンピョ副会長ら3人は理事会が目前に迫ったタイミングで、赦免案が推進されていることを初めて認知したという。
にもかかわらず、本当に責任を負わなければならない高官たちが沈黙を貫いていることから、サッカー界では「とかげの尻尾切り」だという見解が集まっている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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