日本代表を率いる栗山英樹監督は3月8日、東京ドームで行われた記者会見で、大会初戦の中国戦の先発投手として大谷を予告した。
中国は日本が属するプールBで最弱と評価されている。しかし、栗山監督は大谷の中国戦登板を躊躇なく決めた。いくら格下としても、14年ぶりの首位奪還に乗り出す初戦にエースを投入する象徴性まで考慮した決定と見ることができる。
”二刀流”の大谷はすでに完成された選手であり、地球上すべての野球選手にとって“ワナビー”のような存在と言える。
昨季は投手として15勝9敗の防御率2.33、打者として157試合で打率0.273の34本塁打、95打点を記録した。全会一致でMVPに輝いた2021年当時の成績とまではいかなくても、“二刀流”の完成度は高まっている。
韓国の立場としては、大谷の中国戦先発確定のニュースは幸いだ。
大谷は過去に2度、韓国と対戦した経験があるが、あまりに強烈なインパクトを残した。8年前の2015年プレミア12で韓国戦2試合に登板し、合計13回で3被安打、2四球、21奪三振の無失点。開幕戦で6回無失点、準決勝で7回無失点の投球で韓国打線を完全に圧倒した。韓国には恐怖の対象でしかないわけだ。
このような恐怖の対象を避けることができるのは幸いだ。しかし、大谷を避ければ今度はダルビッシュという大物先発投手が登場した。
日本代表最年長のダルビッシュは日米通算188勝を記録している大投手だ。何より、“日韓戦”の歴史にはダルビッシュがともにした瞬間があった。
2009年WBC決勝戦の9回、抑えで登板したダルビッシュは同回に同点打を打たれてブロンセーブを犯し、痛みとともに挫折する様子だったが、次の回で再びリードした点差を守り、マウンドで優勝の雄たけびを叫んだ。WBC“日韓戦”の歴史で、ダルビッシュはハイライトを担当した。
韓国がダルビッシュと対戦経験があるというが、それも14年前のことだ。
14年という歳月は多くのことを変える。ダルビッシュは2009年当時、日本の舞台にいたが、現在はメジャーで依然として健在であることを誇示する先発投手だ。その歴史とともに、ベストな先発投手を擁立するという栗山監督の布石だ。
球数制限や休息日も、大谷に続きダルビッシュを登板させる理由だ。規定によって一人当たり最大65球が定められているなかで、50級以上を投げた投手は中4日を設けなければならない。彼らが先に登板してこそ、準々決勝以降の重要な試合で投入することができる。“日韓戦”を看過したわけではない。
ただ、“先発1番手”という象徴性は今や大谷が持っている雰囲気だ。ダルビッシュは満を持して“日韓戦”に登板しようとしている。
はたして日本の算法に韓国はそのまま従うことになるのか、それとも韓国なりにペースを取り戻して対抗するのか、10日に行われる“日韓戦”に関心が集中せざるを得ない理由だ。
(記事提供=OSEN)