メジャーリーグの規定によってFAではなく一般の新人扱いとして契約して入団したためだ。公式的には大谷は2017年12月10日にマイナーリーグ契約を締結し、2018年2月に招待選手の資格でスプリングキャンプに参加。そして2018年3月、メジャーリーグ契約を結んだ。
ゆえに当初は貰った金も少なかった。エンゼルスの国際契約金の残余限度である231万5000ドルを受け取った。年俸も最低年俸。2018年に54万5000ドル、2019年に65万ドルを受け取った。2020年はシーズン短縮によって25万9259ドルを受け取った。
2021年シーズンを控えて2年850万ドルで契約し、2021年300万ドル、2022年500万ドルを受領した大谷。MVPに輝くシーズンを過ごしいる割には、受領した金は相対的にみすぼらしい。「エンゼルスが大谷を安くよく使っている」という言葉が出てくる理由だ。
ただ、2023年は年俸3000万ドルを受け取り、シーズン後にはFAになる。
今オフにはアーロン・ジャッジがヤンキースと3億6000万ドルで契約し、歴代野手FA最高額を記録した。トレイ・ターナーは11年総額3億ドルの条件でフィラデルフィア・フィリーズのユニホームを着たが、サンディエゴ・パドレスも3億4200万ドルを提示していた。
ザンダー・ボガーツはサンディエゴ・パドレスと11年総額2億8000万ドルで印を押した。日本の選手たちも吉田正尚がボストン・レットソックスと5年総額9000万ドル、千賀滉大がニューヨーク・メッツと5年総額7500万ドルで契約した。
まさに金の宴が開かれているメジャーリーグ。1年後には大谷という恐ろしい売り物が市場に出る。市場が揺れ動く可能性がある。歴代初の5億ドルの話が出るのも不思議ではない。ヘイマンは「多くのチームが大谷を欲しがるだろう。ファンは数字“5”で始まる契約を見ることになるだろう」と伝えた。