“同僚中傷”で北京五輪欠場した韓国選手の代表復帰に…“被害者”が異例の声明「彼女を近づけないで」

北京冬季五輪で金メダル1枚、銀メダル2枚を獲得した韓国ショートトラックの“看板スター”であるチェ・ミンジョン(23)が、2018年平昌五輪で自分への侮辱発言を行い、女子1000m決勝で故意に衝突した疑惑が持たれたシム・ソクヒ(25)との“接触”を全面的に拒否した。

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チェ・ミンジョンのマネジメントを務めるAll That Sportsは3月2日、報道資料を通じて韓国氷上競技連盟に以下のように呼びかけた。

「チェ・ミンジョン選手は、韓国代表として世界選手権に向けた準備をするため、練習にのみ邁進する予定だ。練習以外の妨害を受けたり、負担を感じたりしないようサポートしてほしい」

チェ・ミンジョンをはじめとするショートトラック韓国代表の選手たちは、来る3月18日から20日にかけてカナダ・モントリオールで行われるISU世界ショートトラック・スピードスケート選手権に出場するため、2日に鎮川(チンチョン)選手村に入村し、本日(3日)から本格的な練習を行う予定だ。

チェ・ミンジョン

五輪期間に同僚を中傷したシム・ソクヒ

All That Sportsのク・ドンフェ代表理事は、「チェ・ミンジョン選手は特定の選手と一緒に練習する目的で鎮川選手村に入村したわけではない」と断固とした立場を示した。“特定の選手”の具体名は明かされていないが、シム・ソクヒのことを指したものとみられる。

シム・ソクヒは2014年ソチ五輪で金1、銀1、銅1のメダルを獲得、2018年平昌五輪でも女子3000mリレーで金メダルを獲得するなど、ショートトラックの“若きエース”として活躍した選手。昨年5月の韓国代表選考会でも1位となり、北京冬季五輪の出場権を獲得していた。

ところが同年10月、2018年平昌五輪当時に代表コーチとやり取りしたとされる、チェ・ミンジョンなどチームメイトを中傷する私的なメッセージが流出されると、状況は一変。同年12月、韓国氷上競技連盟のスポーツ公正委員会で「スケート界の品位を著しく損ねた」とし、資格停止2カ月の懲戒処分を受けた。

平昌五輪当時のシム・ソクヒ(左)とチェ・ミンジョン(右)

この間、シム・ソクヒは謝罪のためにチェ・ミンジョンなど代表のチームメイトに何度も連絡を試みたが、チームメイトは謝罪を受け入れなかった。むしろチェ・ミンジョン側は「ストレスを感じざるを得ず、試合に専念できない状況を招いた」とし、シム・ソクヒからの“謝罪連絡”を中断するよう要求していた。

結局、シム・ソクヒは資格停止処分によって北京冬季五輪に出場することができず。シム・ソクヒ側は裁判所に効力停止仮処分申請をしていたが、これも棄却された。

その後、シム・ソクヒは今年2月20日に懲戒が解除。このため、今回の世界選手権から代表に復帰することが決まっていた。

「“特定の選手”が接近しないよう…」

そんなシム・ソクヒの代表復帰にク・ドンフェ代表理事は現在も懸念を示している。

「チェ・ミンジョン選手はこれまで、特定の選手による故意の衝突疑惑、同僚選手の悪口及び卑下などによって激しいストレスを受けており、長い時間をかけて心理治療を受けた末、北京冬季五輪に出場することができた」

「チェ・ミンジョン選手は依然として、練習中や世界選手権の期間中に、特定の選手からの妨害や報復行為があるのではないかという心配を感じている」

シム・ソクヒ

また、「チェ・ミンジョン選手はこのような不安と心配が常に存在しているにもかかわらず、韓国代表としてオリンピックに続き世界選手権でも愛国歌(韓国国歌)を響かせるという一念で、鎮川選手村に入村する準備を進めてきた」と、チェ・ミンジョンがあらゆる懸念を承知したうえで入村する覚悟を代弁した。

ク・ドンフェ代表は最後に、「特定の選手が“謝罪”を前面に出してチェ・ミンジョン選手に個人的な接近及び出会いを試みないよう、事前に防止し、練習以外の場所で不必要な連絡および接触が発生しないよう、連盟と代表チームに要請する」と繰り返し強調した。

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