プロデビューから現在まで一度もJリーグでプレーしたことがない日本人選手が、いま韓国でプレーしている。今冬にKリーグ2(2部)のソウルイーランドFCに新加入したMF西翼(31)がその人だ。
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西はこれまでいくつものチームを渡り歩いた“ジャーニーマン”だ。
大学卒業後の2013年にポーランド4部のグバルディア・コシャリンに加入すると、同国1部のレヒア・グダニスクを経てヴィジェフ・ウッチ、ストミール・オルシュテイン、レギア・ワルシャワⅡと渡り歩き、スロバキアのミハロフツェでもプレー。2018年にからは活躍の場を韓国に移し、Kリーグ1(1部)の大邱(テグ)FCで3シーズンプレーした。
大邱FCは西のプロキャリアで最も長く在籍したクラブだった。だが、西は慣れ親しんだ大邱を離れ、ソウルイーランドで新たな挑戦を始めることを決断した。
最近、冬季キャンプ地の済州(チェジュ)島・西帰浦(ソグィポ)で本紙『スポーツソウル』のインタビューに応じた西。「大学卒業後に日本を離れました。海外生活を長くしてきましたが、日本でプレーしたいと思ったことはありません」と振り返る彼は、自身が“ジャーニーマン”気質であることを語った。
「家族が懐かしくはあります。でも、僕は新しい文化、新しい出会い、新しいサッカースタイルを楽しむスタイルです。移籍の負担もありません。個人的に、さまざまなチームでプレーすることは、より良いプレーができるモチベーションになります。新たな場所では自分を証明しなければなりません。僕はそういった挑戦を楽しみたい」
西は現在、ポーランドのグダニスクで出会った妻と一緒に暮らしている。首都圏への移籍は西自身だけでなく、妻にとっても良い機会だ。
「妻は僕がサッカーをできればどこでプレーしても構わないと話しています。それでも、大きな都市で住むことになれば、妻と一緒にできることも増えると思います。特に、外国人が多く住んでいる点が妻の助けになるでしょう。ソウルで外国人の友人がたくさんできてほしいですね」
昨シーズン限りで大邱FCとの契約が満了した西は、冬の移籍市場で複数のチームからオファーを受けた。そのなかで、西が選択したのは意外にも昨季2部で10チーム中9位に終わったソウルイーランドだった。
西は「1部のチームを選択することもできましたが、一番先に連絡をくれたのがソウルイーランドでした。僕の加入を切実に望んでいることが感じられました。2部でプレーすることを悩んだりもしましたが、チームの目標を見て、挑戦したくなりました」と、新天地を選んだ理由を明らかにした。
これまでのキャリアで“昇格”という経験をしたことが西。今季の目標はソウルイーランドを1部に導くとともに、自身初の昇格を経験することだ。
「雰囲気は良いですね。全員がポジティブなマインドでプレーしていると感じます。一つに目標に向かっていると思います」という西は、「僕はチームメイトのスタイルを把握することに力を注いでいます。今季はコンディションさえ良ければチームの役に立てると思います。僕もベテランになったので、若い選手たちを助けたいです」と、昇格に貢献したい考えを示した。
ソウルイーランドには西の適応を助ける選手がいる。かつて2011年にガイナーレ鳥取でプロデビューし、2018~2020年には大邱FCで西と一緒にプレーしたMFキム・ソンミン(30)だ。
「大邱FC時代のパフォーマンスを見せられれば、チームを良い結果に導くことができると思います。(キム・ソンミンとは)お互いのスタイルについてよく知っています。上手く合わせられるでしょう」と、キム・ソンミンとのコンビネーションも期待させた。
また、CSKAモスクワ時代に元日本代表MF本田圭佑(35)と同僚だったMFキム・インソン(32)にも言及。「チームに合流してキム・インソンを見ましたが、彼は対戦相手として会うと大変だった選手の一人でした。同じチームの仲間としてプレーできて光栄ですし、とてもうれしいです。一緒にプレーできることを期待しています」と語った。
はたして、西はソウルイーランドをクラブ史上初の1部昇格に導くことができるのか。新シーズンでの活躍に期待したい。
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