日本代表MF久保建英(20)と韓国代表MFイ・ガンイン(20)。マジョルカの若き“日韓コンビ”の共存は容易ではなさそうだ。
マジョルカは12月19日(日本時間)、アウェーのエスタディオ・ヌエボ・ロス・カルメネスで行われたラ・リーガ第18節グラナダ戦で1-4と大敗。リーグ戦4試合ぶりに黒星を喫した。
この日、久保とイ・ガンインは去る9月23日の第6節レアル・マドリード戦以来、約3カ月ぶりに先発で同時起用された。イ・ガンインは本職のトップ下ではなく左サイド、久保は右サイドで出場した。
試合では2人の連携から決定機も生まれた。前半41分、イ・ガンインがペナルティエリア手前でパスを受けると、相手選手2人を引き付け右サイドの久保にヒールパス。久保がすぐにグラウンダーでクロスを送ると、イ・ガンインはボールをスルーし後方のMFダニ・ロドリゲス(33)へとつないだ。ダニ・ロドリゲスのシュートは相手GKのセーブに阻まれたが、久保とイ・ガンインの水の流れるような連携がチャンスを創出した。
ただ、活躍はそこまでだった。イ・ガンインは前半途中からトップ下にポジションを移すも、これといったチャンスを作れず、前半20分には中盤でのボールロストが失点の原因にもなった。ルイス・ガルシア監督がイ・ガンインをタッチライン際に呼び出し、強く指示を送る場面も見られたほどだ。
結局、イ・ガンインは後半15分にMFアントニオ・サンチェス(24)と交代しベンチに下がった。一方、久保は枠内シュート2本、キーパス1本を記録し、フル出場を果たしたが、チームの敗北を防ぐことはできなかった。
イ・ガンインと久保の組み合わせは攻撃的な才能では合格点をもらう。ただ、同時起用では守備的な役割をこなすことが難しい。マジョルカはイ・ガンインと久保を先発で同時起用した2試合で計10失点と、守備面が崩れてしまっている。
ガルシア監督が以前、「イ・ガンインと久保の同時起用はポジティブな要素もあるが、失うものもある」と述べた理由もここにある。
これらの懸念を相殺するため、ガルシア監督はイ・ガンインをサイドで起用する変則的な采配を見せたが、機能したとは言い難かった。ときおり才能が垣間見える場面が見られるとはいえ、2人の共存は今後もマジョルカの課題として残ることになりそうだ。
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