かつて川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本に在籍した在日コリアンの北朝鮮代表FW安柄俊(アン・ビョンジュン、31)が、韓国Kリーグ2(2部)で2年連続20ゴールを達成した。
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釜山(プサン)アイパークに所属する安柄俊は9月27日、アウェーの蚕室(チャムシル)オリンピック主競技場で行われたKリーグ2第31節ソウルイーランドFC戦で、1-1の同点で迎えた後半39分に決勝ゴールを決め、釜山を2-1の勝利に導いた。
安柄俊はこの日の得点でシーズン20ゴール目を記録。今季Kリーグ2で誰よりも早く大台に到達し、得点王の座をほぼ手中に収めた。
12ゴールで2位タイのMFパク・チャンジュン(24、富川FC 1995)、FWジョナタン・モヤ(29、FC安養)とも大差を離しており、逆転される可能性はほとんどないと言って良い。Kリーグ2は今後残り5試合だけだ。このため、安柄俊が昨シーズンに続いて得点王に輝く見通しだ。
昨シーズン、安柄俊は水原(スウォン)FC所属で26試合21ゴールと、一試合当たり0.8ゴールという驚きの得点感覚を見せつけ、チームの1部昇格に貢献した。
今季開幕前にはKリーグ1(1部)のクラブに移籍する予定だったが、過去に手術歴のある膝がメディカルチェックで問題視され、交渉は破談。結局、Kリーグ2に降格した釜山に加入した。
そして今、安柄俊は自身の技量を疑っていた人々に見せつけるかのように健在ぶりを誇示している。現在まで一試合当たり0.690の得点率が、彼のコンディションの良さを証明してみせている。
安柄俊はシュートの積極性と正確さがともにずば抜けている。今季は29試合で97本のシュートを試みた。一試合当たりの平均は3.3本で、同部門1位に上がっている。枠内シュートは56本で、57%がゴールに吸い込まれた。シュート対比得点率は20%にも達する。
もっとも、安柄俊が活躍を繰り広げているにもかかわらず、釜山の成績は芳しくない。釜山はソウルイーランド戦前まで9試合4分5敗と未勝利だった。この間に1部昇格プレーオフ進出圏内からも遠ざかった。
現在も勝ち点38の10チーム中5位で、4位の全南(チョンナム)ドラゴンズ(勝ち点45)と7ポイントも離れている。残り試合での順位逆転が難しい差だ。チームを率いるリカルド・ペレス監督も「勝利があまりに遅かった」と残念がった。
釜山が頼りにできる選手は安柄俊しかいない。彼がシーズン終盤に得点量産のラストスパートをかけてこそ、釜山も劇的な順位逆転を狙うことができる。
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