韓国Kリーグが“寛大さ”に傷をつけている。
Kリーグ2(2部)の安山(アンサン)グリナースは3月31日、FWカン・スイル(34)の獲得を発表した。
6年ぶりのKリーグ復帰となるカン・スイルは2007年に仁川(インチョン)ユナイテッドでプロデビューを果たし、一時は国内屈指のストライカーに浮上した。ところが、2015年にドーピングテストで陽性反応を出すと、飲酒運転で事故まで起こして物議をかもした。当時の所属チームだった済州(チェジュ)ユナイテッドは、カン・スイルに任意脱退処分を下した。
以降、タイリーグやJリーグなど海外を転々としたカン・スイルは、今年初めに任意脱退処分が解除されたことで、再びKリーグの門戸を叩いた。そして、安山に加入することになった。
安山の関係者は「カン・スイルは自粛している間、罪を償う気持ちで多文化家庭や恵まれない子どもたちを助けながら、長い間ボランティア活動をしてきた」とし、「社会的に物議をかもした後、“運動で報いる”と言いながら適当に過ごした選手たちとは違うと感じた。本人も深く反省している姿を見せていたので、彼を信じて獲得を進めた」と述べた。
カン・スイルも「“第2のカン・スイル”が現れないよう後輩の助けになる先輩になりたい」とし、「多文化児童のための奉仕とクラブの社会貢献活動にも積極的に参加し、安山で奉仕する選手に生まれ変わる」と誓った。
同じくKリーグ2の忠南牙山(チュンナム・アサン)FCも、今シーズン開幕前に獲得した元ベガルタ仙台FW道渕諒平(26)とMFイ・サンミン(21)の過去の前歴によって非難を受けた。
特に道渕は、交際女性への暴力行為によって所属クラブから放出された経歴がある。忠南牙山は「法的問題はないと判断した」と明かすが、地域社会の抗議は激しい。
道渕はインタビューを通じ、「僕のせいでいろいろと論争を呼んで申し訳なく思う。牙山市民の皆さんに大変申し訳ない。今後は社会的弱者のためのボランティア活動でも応えていきたい」と話している。
忠南牙山は最近、飲酒運転を摘発されたFWイ・ジェゴン(24)との契約解除を発表した。しかし、イ・サンミンもイ・ジェゴン同様、昨年5月に飲酒運転を犯した経歴がある。にもかかわらず、忠南牙山がいかなる措置も下していないことで、非難が相次いでいる。
とあるクラブの関係者は、「成績や競技力以外に、外的な部分も重要になってきた。選手はもちろん、各クラブも警戒心を持つ必要があるのではないか」と伝えた。
「反省する」「ボランティアを通じて報いる」と言って許される時代は過ぎ去った。これからはどのような決定を下すことがKリーグの発展につながるかを考えていかなければならない。
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