かつて2009~2010年にジュビロ磐田、2010~2012年にガンバ大阪で活躍した元韓国代表FWイ・グノ(35、蔚山現代)。
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彼は蔚山現代に所属していた去る2012年当時、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で無敗優勝の神話を築いた当時の主役の一人だった。
蔚山現代は当時、グループステージから決勝トーナメントまでの全12試合で10勝2分の無敗を記録。その勢いから“アジアのギャング”とも呼ばれ、見事クラブ史上初のアジア制覇に成功した。
当時、イ・グノは198センチの長身FWキム・シンウク(32、上海申花)との“ビッグ&スモール”コンビで攻撃をけん引。12試合すべてに出場して4ゴール7アシストを記録し、ACL最優秀選手(MVP)に輝いた。
さらには、同年のアジアサッカー連盟(AFC)年間最優秀選手賞も受賞。キャリアハイとも呼べるシーズンを過ごした。
蔚山現代でACL優勝を経験後、全北現代モータースや済州ユナイテッドFCなどさまざまなチームを経て、2018年に再び蔚山現代に復帰したイ・グノ。35歳を迎えいつのまにか選手の黄昏期を過ごす彼は今回、8年ぶりにACLの舞台に立っている。
イ・グノは、12月13日(日本時間)に行われたACL準決勝のヴィッセル神戸戦で後半開始から途中出場。延長戦までプレーし、チームの2-1の逆転勝利に貢献した。
試合後、イ・グノは本紙『スポーツソウル』とのインタビューに応じ、「決勝戦は今年最後の試合だ。有終の美を飾りたいし、楽しむ気持ちで臨む」と強調した。
ACL優勝経験を持つイ・グノの存在は、チームにとって大きな支えだ。しかも、彼は決勝戦の相手であるペルセポリスが属すイランリーグのチームとも対戦経験があるほか、2014-2015シーズンをカタールのアル・ジャイシュで過ごしたことからも、現地の雰囲気を良く理解している。
イ・グノは「現在はホテルや練習場、スタジアムだけを行き来しているので、私の経験が大きく役立っているわけではない」と謙遜する。しかし、若い選手にとっては経験豊富なイ・グノの一言一句が大きな力となっている。
また、「現在カタールでプレーするク・ジャチョルやチョン・ウヨン、ナム・テヒらがさまざまな面で支援してくれている。他国で制限的な生活をしているからか、より一層力が得ている」と感謝の意を表した。
ACLで好調続きのチームについて、イ・グノは「国内では(Kリーグ1やFAカップ)優勝への負担が大きかった。選手たちは心理的に問題があった。だが、ACLでは特定の目標よりも楽しむ気持ちで毎試合に臨んでいる。それが、好成績につながっているようだ」と語った。
蔚山現代はグループステージから決勝トーナメント準決勝までの9試合で、参加チーム中唯一8勝1分けの無敗を維持している。特に、カタールでACLが再開されて以降は8連勝中だ。
イ・グノは“8年前の当時”と現在を比べ「雰囲気が当時と似ている。戦力も、当時と現在のいずれも良い」と、優勝の機運を強調した。
8年前は主力フォワードだったイ・グノだが、今はジョーカーとしてのプレーが主だ。敵陣深くでフィニッシャーの役割を果たすのではなく、たくさん動き回って後輩にスペースを作る助力者に生まれ変わっている。
イ・グノは「過去と現在で役割が違う。与えられた状況で自分ができることを尽くそうと思う。ベテランとして、最後まで良い雰囲気を引っ張っていきたい」と意気込みを語った。
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