韓国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、プロスポーツにも赤信号が灯った。
韓国中央防疫対策本部の発表によると、8月27日に発表された新規感染者数は441人に上った。ソウルなど首都圏の集団感染が表面化した8月14日から現在まで、2週連続で三桁の新規感染者数だ。
【注目】韓国で新規感染者が急増、3月初旬の大流行以来の数字に
8月15日に行われた光化門(クァンファムン)での集会を機に首都圏で感染者が続出し、光州(クァンジュ)や江原(カンウォン)などでも集団感染事例が増えており、さらなる感染拡大が懸念されている。
プロスポーツも非常事態だ。
現在の増加傾向が続いた場合、韓国政府の防疫対策「社会的距離確保」を第3段階に引き上げる可能性がある。第3段階に突入すると、屋内外を問わず、10人以上の集会やイベントが制限される。社会・経済的な打撃はもちろん、プロスポーツのシーズン中断も避けられない。
現在、韓国プロ野球は無観客でリーグが進行しているが、第3段階に入ると、試合数は135試合、あるいは126試合に縮小するしかない。韓国野球委員会(KBO)は「内部的にマニュアルを準備するなど、検討段階だ。リーグが中断されると、試合数を減らさなければならない。緊急実行委員会と理事会を開いて決定する予定だ」と明らかにした。
現実的な代案を出さなければならないタイミングだ。
8月27日、光州の感染者が2日間で計54人増え、光州市は「第3段階に準ずる集合禁止拡大措置」を下した。KIAタイガース側は「まだ“第3段階に準ずる”状態であるだけに、まずホームゲームは無観客で進行する。KBOの措置に従い、基本的な防疫ガイドラインは着実に守っているが、状況に応じて対策を立てる」と立場を明らかにした。
KBOの代案は、遠征試合スケジュールの変更だ。KBOは、特定の自治体の「社会的距離確保」が第3段階に強化された場合に備え、該当自治体をホームにする球団が他地域でアウェー戦を先に消化できるようにスケジュールを調整する選択肢を構想している。
もしソウルが第3段階に引き上げられるとしたら、ソウルの3球団が先にアウェー戦を消化できるようにするといった方式だ。残されたホーム・アウェイのスケジュール通りにいけば、首都圏5球団と地方5球団の公平性を保ちながらのリーグ進行が可能だ。
サッカーKリーグも第3段階に引き上げられた場合、シーズン中断が避けられない。
韓国プロサッカー連盟は「社会的距離確保」が第3段階に引き上げられた際、対象地域の範囲に応じて、さまざまなシナリオを検討している段階だ。ただ第3段階に突入する地域が広範囲となり、全国的に第3段階に引き上げられるとなれば、Kリーグは暫定的に中断せざるを得ない。
リーグ開幕準備の真っ最中であるプロバレーとプロバスケも悩みが大きい。先立って両リーグは、新型コロナの初期段階でレギュラーシーズンを早期終了したことがある。
現在、プロバレーはカップ大会が進行中だが、完全な防疫体制を構築して万が一の事態に備えている。プロバスケも今週末に蚕室(チャムシル)で開催される現代モービス・サマーマッチを無観客で進行することはもちろん、取材記者団の人員を最小化するなど、可能な限り慎重を期している。
いずれにしても新規感染者が急増している韓国では、プロスポーツも非常事態を迎えている。
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