ソン・フンミンの100ゴールを分析すると、興味深い事実を発見することができる。右足が54得点、左足が39得点と、かなりバランスがとれているのだ。ちなみにヘディングは7得点だった。
欧州や南米の世界的な選手たちは、得意な利き足が決まっていることが多い。リオネル・メッシは左足の得点の割合が80%を超える。メッシと双璧をなすクリスティアーノ・ロナウドは、右足ゴールが72%に達し、ヘディングを除外した左足と右足の得点比率を計算すると、右足が85%に迫る。彼らのような世界的な選手も、片方の足への依存度が高いということだ。
一方、ソン・フンミンは右足ゴールの割合が54%で、左足の得点力(39%)が優れている。今回のサウサンプトン戦のゴールは右足で押し込んだものだったが、11月25日のチェルシー戦で見せた約50 mドリブル後のシュートは、左足で放った。 ロシアW杯のメキシコ戦で決めたゴールも左足だ。振り返ればプロデビュー初ゴールも、左足だった。
ソン・フンミンは相手ディフェンダーの予測を困難にする“両利き”の力で、ビッグリーグを着々と制しているといえる。ヒディンク監督が絶賛し、パク・チソンも長けていた韓国人選手の誇る“両利き”が、ソン・フンミンの通算100得点を生んだ。
「ソン・フンミンゾーン」がなくなったことも、通算100得点を達成する重要なプロセスだった。
ソン・フンミンはドイツでプレーしていた時期、ペナルティーエリアに入って45度の角度からシュートを決めることが多かった。ペナルティーエリア左からは右足斜めシュート、右からは左足斜めシュートという光景がハンブルガーとレバークーゼン時代は多く見られた。
しかしプレミアリーグに来てからは変わった。
3年前にクリスタル・パレス戦で入れたプレミアリーグ初ゴールや、前出のチェルシー戦のゴールのように、ソン・フンミン特有のスピードとドリブルを利用した得点が次々と爆発している。アーク正面から遅滞なくシュートを放つなど、ペナルティーエリア内外を問わず、シュートの多様性を追求した。ハンブルガー時代は最前線でプレーしたが、レバークーゼンとトッテナムを経て、左ウイングや2列目、ツートップなどポジションが多様化したことも、ソン・フンミンを欧州トップクラスのストライカーに引き上げた秘訣となった。
ソン・フンミンは今、チャ・ボムグンの持つ欧州における韓国人最多得点記録121ゴールを見据えている。アジア大会を通じて兵役問題を解消し、毎シーズン安定した得点力を見せているだけに、彼の通算122得点目のゴールセレモニーは、時間の問題だ。