ロサンゼルス・ドジャースが2連覇に向けて順調な戦いを続けている。だが、懸念すべき部分がないわけではない。その一つが大谷翔平の“沈黙のバット”だ。投手としては責任を果たしているが、打撃面での爆発がまだ見られない。
『スポーツソウル』は10月16日、「“投タニ”は快調だが、“打タニ”は…ポストシーズン好調のドジャース、沈黙する“大谷のバット”が悩み」と題し、大谷の“打撃不振”に言及している。
ドジャースはナ・リーグ優勝決定シリーズでミルウォーキー・ブルワーズ相手に2連勝を挙げた。レギュラーシーズンではブルワーズに6戦全敗していたが、ポストシーズンでは一変した姿で勝利を重ねている。
ワイルドカードから始まった今季のポストシーズン、ドジャースは勢いそのままに突き進んでいる。シンシナティ・レッズ、フィラデルフィア・フィリーズ、そして現在のブルワーズに至るまでわずか1敗。特にブレイク・スネル、タイラー・グラススノー、山本由伸ら先発陣の安定感が光る。
これまで先発した投手陣には大谷もいる。10月5日に行われたフィリーズとの地区シリーズ第1戦で登板し、“投手・大谷”としてポストシーズンデビューを飾った。2回まで3失点と不安な立ち上がりを見せたが、その後立て直して6回3失点のクオリティスタートを収め、チームも勝利を手にした。
投手として無事にポストシーズン初登板を終えた大谷だが、問題は打撃だ。沈黙が長い。今季ポストシーズンで大谷の打率はわずか0.147。出塁率も0.275で3割を下回る。長打率も4割に満たず、「大谷翔平」の名を考えれば物足りない数字だ。
昨年、大谷はMLB進出後初めてポストシーズンを経験した。当時は右肘のリハビリ中で打者に専念しており、多くの期待を集めたが、結果は打率0.230と振るわなかった。ドジャースはワールドシリーズ制覇を果たしたが、大谷のバットは沈黙したままだった。その流れが今季も続いている印象だ。
今季は怪我も癒えて“二刀流”として復活。レギュラーシーズンでは「野球の神」にふさわしい活躍を見せた。しかし、ポストシーズンでは特に打撃面で精彩を欠いている。この壁を乗り越えられるかが、ドジャースの2年連続ワールドシリーズ制覇へのカギとなりそうだ。
チームの勢いは悪くない。だからこそ“打者・大谷”が復調し、「錦上添花」となるドジャースを見てみたい。
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