韓国女子プロゴルフ(KLPGA)のドリームツアー(2部)で史上初の“日本人女王”が誕生した。
9月22日から23日にかけて、全羅北道群山市(チョルラブクト・クンサンシ)の群山CCで行われた「KLPGA 2025 群山ドリームツアー第16戦」では今綾奈(こん・あやな)が優勝。日本人ゴルファーとして同ツアー史上初の優勝を果たし、賞金1050万ウォン(日本円=約113万円)を獲得した。
今綾奈は第1ラウンドで5バーディ・2ボギーの3アンダー、「69」をマークし、暫定12位で第2ラウンドへ突入。2日目はノーボギー・7バーディと完璧なショットを披露し、通算10アンダーの「134」でホールアウトした。その後、同スコアで並んだキム・ソジョンとのプレーオフに臨み、2ホール目で3.5mのバーディパットを沈めトロフィーを手繰り寄せた。
KLPGAのインターナショナル会員である今綾奈は、渋野日向子や小祝さくら、勝みなみらと同じ1998年生まれの“黄金世代”の一人。ゴルフ好きの両親の影響で競技に触れ、11歳から本格的にゴルファーを目指した。高校2年時に関東高等学校ゴルフ選手権優勝で頭角を現すと、2021年にはJLPGA非会員として出場した「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー」で優勝を経験した。
以降はJLPGAプロテストでの敗退を経て、2023年10月には韓国進出を目指して「KLPGA 2023インターナショナル・クオリファイイング・トーナメント(IQT)」に出場するも、43位タイで終了。ただ、翌2024年3月の「KLPGA 2024 第1次準会員選抜戦」では通算イーブンパーの「216」で8位となり、KLPGAのインターナショナル会員資格を獲得した。そして、同年4月に出場したジャンプツアー(3部)第1戦で早速優勝を勝ち取った。
今綾奈は昨季にもドリームツアーで3大会に出場したが、うち2大会で予選敗退に終わっていた。ただ今回、2025年シーズンのドリームツアー初出場にして初優勝を飾り、「本当に嬉しい。日本人として初めての優勝であり、人生初のドリームツアー優勝なので特別な意味がある。日本で応援してくださる方々にこのニュースを届けられて幸せだ」と喜びを明かした。
また、「今日はコンディションとショットの感覚が良く、スコアを伸ばし優勝まで成し遂げることができた。頑張ってこいと応援してくれた両親、韓国での健闘を願い支援してくれるスポンサー、そしていつも応援してくれる方々の存在が、今日の優勝の原動力だと思う」と勝因を挙げ、「大会を開催してくださったスポンサーやKLPGA、ともに戦い祝福してくれたすべての選手たちに心から感謝したい」と感謝を伝えた。
今大会の優勝でKLPGAドリームツアー史上初の日本人女王、さらにはチェン・ユジュ(台湾)、リー・シューイン(中国)、ユ・ダギョム(アメリカ)に次ぐ史上4人目の外国籍女王となった今綾奈。今後については「まずは日本のプロテストに合格し、実力を積み上げ、KLPGAの正規ツアー(1部)でも活躍できる強い選手になることを目指している。その目標を達成できるよう、多くの応援をお願いしたい」と意欲を語っていた。
なお、今大会では今綾奈のほかに日本から和久井麻由も出場し、通算9アンダーの「135」で3位タイを記録している。
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