目標に掲げたシーズン開幕日まで1カ月しか残っていないが、まったく問題を解決できずにいる。
米メジャーリーグ(MLB)球団オーナー側とMLB選手会(労働組合)の対立がますます深まりながら、シーズン中止の声まで聞こえる。メジャーリーグが25年ぶりにストライキの危機に直面した。
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立場の違いは明確だ。
まず選手たちは、追加となる年俸削減を受け入れることができないと強調している。球団オーナーが提案した82試合体制・年俸の追加削減を承認することができない。すでに去る3月に年俸削減を受け入れただけに、これ以上は譲歩できないという立場だ。
それとともに選手会は6月1日(日本時間)、年俸を追加で削減することなく、1チーム当たり114試合体制でシーズンを行えるように要請した。背景には、選手会と球団オーナーが去る3月、新型コロナウイルスの影響で162試合体制が難しいだけに、試合数に比例した年俸にするとした約束がある。
しかし球団オーナー側は、選手会の114試合体制の提案を拒否した。
アメリカのスポーツ専門メディアESPNは6月2日、球団オーナーが選手会の114試合体制の提案を拒絶し、50試合体制を主張したと発表した。114試合体制でシーズンが進行された場合、選手たちに年俸を支給できないという立場だ。
選手会が望む通り、試合数に比例した年俸を支給する場合、50試合が限界という意味だろう。
もし50試合体制が実現する場合、ひとまず選手たちが受け取る金額は以前の提案よりも大きくなる。
年俸2000万ドルで契約したリュ・ヒョンジンを例に挙げると、114試合体制・追加年俸削減で彼が受け取る金額は515万ドルだ。しかし50試合体制でシーズンを行えば、リュ・ヒョンジンの年俸は617万ドルとなる。2倍以上も少ない試合数で、年俸は上がることになる。
ただ問題は、50試合体制のシーズンを認めることができるかだ。
130年の歴史を誇るメジャーリーグは、19世紀初頭から毎年1チーム当たり100試合以上を消化した。
シーズン開幕日と定めた7月4日から50試合体制と仮定すると、レギュラーシーズン終了時点は、例年より早い9月になる。例年より112試合も少ないだけに、さまざまな記録や試合運用方式、選手たちのコンディション管理などに大きな変化が生じるしかない。
結局のところ、問題はお金だ。
球団オーナーがあれこれ提案をする理由も、すでにシーズン延期で損をした膨大な金額を少しでも補填するためだ。いくつかの球団オーナーは、そもそも2020シーズンを行わず、来年の準備を望んでいるとの話もある。
しかし2020年のメジャーリーグの歴史が消えれば、看過できない傷として残るだろう。ファンの視線もこれまで以上に冷たくなる。
1994年後半期、サラリーキャップの問題で球団オーナーグループと選手会が対立し、球場の出入口が閉ざされたことがある。その痛い記憶が再び思い出されている。
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