ヴィッセル神戸とACLEベスト16で対戦する光州FCが、主力退団を余儀なくされても”底力”を発揮している。
光州（クァンジュ）FCは今冬の移籍市場で複数の主力が退団した。
CBコンバートも経験した身長193cmの長身FWホ・ユル（23）、背番号10番のMFイ・ヒギュン（26）はともに蔚山（ウルサン）HD FCへ引き抜かれた。昨年に韓国代表デビューを果たし、光州で中盤の絶対的存在だったMFチョン・ホヨン（24）は米MLSのミネソタ・ユナイテッドへと移籍。元ジョージア代表FWベカ・ミケルタゼ（27）もJ2リーグのモンテディオ山形へ移った。
一方で、目立った補強はなかった。
2022年に光州の2部優勝・1部昇格をけん引したブラジル人FWレイス（32）の3季ぶり復帰をはじめ、元U-23韓国代表FWパク・ジョンイン（24）や2021～2022年にガンバ大阪でプレーした元韓国代表MFチュ・セジョン（34）などを獲得したものの、クラブの財政的な困難もあり、退団した主力の穴を完全に埋め切れたとは言い難い。
もっとも、そんな懸念の中で新シーズンが開幕したわけだが、光州のスタートは決して悪くない。
2025年初の公式戦となった2月11日のAFCチャンピオンズリーグエリート（ACLE）第7節では山東泰山に1-3で敗れ（山東泰山のACLE棄権で試合結果無効）、同月15日のKリーグ1第1節では水原（スウォン）FCとスコアレスドロー。18日のACLE第8節のブリーラム・ユナイテッド戦、23日のKリーグ1第2節の全北現代（チョンブク・ヒョンデ）モータース戦はいずれも2-2で引き分けた。
ただ、3月1日のKリーグ1第3節では、ホームの光州ワールドカップ競技場で昇格組のFC安養（アニャン）に2-1で逆転勝利し、今季初勝利を手にした。
Kリーグ1では第3節を終えて1勝2分の勝ち点5。2勝1分で首位の大邱（テグ）FCとともにまだ黒星がない。開幕前に降格候補に挙げられたことを考慮すれば、ポジティブなシグナルと言える。
もっとも、結果より評価すべき点は試合内容だ。
光州は主力メンバーが大幅に入れ替わったものの、昨季と変わらないサッカースタイルを維持している。安養戦ではボール支配率62.5%と高い数字を記録し、試合の主導権を握った。ラインを高く上げ、攻撃的に戦うゲームマネジメントは昨年から変わっていない。
2022年から光州の指揮を執り、今季で4年目を迎えるイ・ジョンヒョ監督の力量が目立つシーズン序盤だ。
イ・ジョンヒョ監督は光州の新指揮官に就任以降、毎シーズンのように結果を残してきた。
2022年はKリーグ2優勝及び1部昇格を果たし、2023年はKリーグ1でクラブ史上最高順位となる3位フィニッシュに成功。2024年は初出場のAFCチャンピオンズリーグエリート（ACLE）で活躍し、ベスト16進出に成功した。浦項（ポハン）スティーラーズや蔚山などが敗退しただけに、光州の奮闘はさらに目立った。
光州はイ・ジョンヒョ監督体制4年目に突入した今季も、簡単には崩れることはなさそうだ。アルバニア代表FWヤシル・アサニ（29）はリーグ戦直近2試合で3ゴールと好調。MFオ・フソン（25）は公式戦直近3試合3G1A、それもリーグ戦では途中出場から1G1Aをマークしており、攻撃に変化をもたらすピースとして存在感を高めている。
既存戦力の一方で、新戦力の活躍はまだ微々たるものだが、指揮官が要求するサッカーに適応しつつある姿もうかがえる。
例えどのようなメンバー構成でも、均一な試合スタイル、パフォーマンスを構築できるイ・ジョンヒョ監督が指揮を執り続ける限り、光州の戦いは今後さらに良くなる可能性が高い。
光州は3月5日にアウェイの神戸市御崎公園球技場、12日にホームの光州ワールドカップ競技場でヴィッセル神戸とのACLE決勝トーナメント1回戦を戦う。
チームは昨年10月のACLE川崎フロンターレ戦を最後に、リーグ戦とACLE含めアウェイで公式戦6試合未勝利としているが、神戸の本拠地でどんな戦いを披露するだろうか。
（構成＝ピッチコミュニケーションズ）
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