2010年南アフリカW杯で韓国代表をベスト16進出に導いたホ・ジョンム氏が、韓国サッカー協会(KFA)の会長選出馬を表明した。
ホ・ジョンム氏は11月25日、ソウル松坡区(ソンパグ)芳荑洞(パンイドン)のソウルオリンピックパークテルで「第55代韓国サッカー協会長選挙出馬記者会見」を開き、出馬の意思を明らかにした。
ホ・ジョンム氏は韓国サッカー界を代表するレジェンドの一人だ。現役時代には1986年メキシコW杯に出場するなど、韓国代表で国際Aマッチ104試合30ゴールを記録。1980~1983年にはオランダの名門PSVアイントホーフェンに在籍した経験もある。
引退後は指導者に転身。Kリーグでは浦項(ポハン)製鉄アトムズ(現・浦項スティーラーズ)、全南(チョンナム)ドラゴンズ、仁川(インチョン)ユナイテッドなどで監督を務めた。1998~2000年には韓国代表監督を務め、2008年より2度目の代表監督就任を果たすと、2010年南アフリカW杯では国外開催のW杯で史上初のベスト16進出を達成した。
その後はKFA副会長、Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟の副総裁を経て、2020~2023年はKリーグの大田(テジョン)ハナシチズンで理事長を務めた。
ホ・ジョンム氏は1955年1月13日生まれだ。会長選は翌2025年1月8日に開かれるため、規定上は出馬に問題がない。規定によると、選挙日基準で満70歳以下だけが出馬することができる。
「韓国のサッカーは揺れている。協会の独断的で独善的な運営は、システムの崩壊という残酷な結果を生んだ」と強調したホ・ジョンム氏は、「サッカー人の葛藤を見守るときは限りなく苦しかった。サッカー関係者の一人として申し訳ない」とし、韓国サッカー界の現状を謝罪した。
そして、「震える気持ちでこの場に立った。傍観者として残らないことにした。誰かがこの墜落を止めなければならないという義務感から、小さな土台になることを決心した、透明で公正なシステムを作ることが最も重要だ」と出馬宣言した。
ホ・ジョンム氏が解決策は大きく分けて5つ。まずは「開かれた経営、活発なコミュニケーションで信頼を回復する。ファンの参加を保障する組織と文化を作る」とし、「同行」を最初のキーワードに挙げた。
次に、「公正」を強調した。「システムによる透明で公正な協会運営をしなければならない。指導者、選手選抜、契約締結などは、専門家で構成された委員会が独立的に運営できるようにする」という。
3つ目のキーワードは「均衡」だ。「中央の協会がすべてを決定する時代ではない。地域協会が自ら創意性、自律性を発揮できるようにする」とし、各地域の協会の自治性を保障すると述べた。
同時に、ホ・ジョンム氏は指導者育成、選任システムを「透明」に運営すると力を込めた。「手続き、システムを通じて長期的な計画を持ち、世代別指導者を育成し、体系的に選任する」と伝えた。
最後のキーワードは「育成」だ。ホ・ジョンム氏は「サッカー有望株の育成、女子サッカーの競争力向上のために努力する。体系的な育成プログラム、システムを高度化し、ユースの海外進出を支援する海外拠点の設立を推進する」と明らかにした。
このように伝えたホ・ジョンム氏は、「サッカー関係者が団結、和合し、新しく生まれ変わるよう努力しなければならない。そうしてこそ変わることができ、飛躍できる。茨の道だ。巨大な障壁もある。しかし、誰かは進むべき道なので、放棄せず先頭に立つことにした」と訴えかけていた。
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