過去最速の“W杯出場王手”をかけた森保ジャパンと対照的な結果だ。“信頼していた選手”の痛恨のミスで、韓国にとってパレスチナ戦は“悪夢”で終わってしまった。
ホン・ミョンボ(洪明甫)監督率いる韓国代表は11月19日、中立地ヨルダンのアンマン・インターナショナル・スタジアムで行われた北中米W杯アジア最終予選グループB第6戦でパレスチナと1-1で引き分けた。
韓国は0-0に終わったホームでの第1戦に続き、再びパレスチナと引き分けた。第6戦を終えて4勝2分とし、勝ち点14を確保した韓国はグループBの首位をキープしたとはいえ、FIFAランキング100位の相手と2度も引き分けるという残念な結果に終わった。
今回の試合では、守備の要であるDFキム・ミンジェ(28、バイエルン・ミュンヘン)が不安定な姿を見せた。
前半12分、左サイドからボールを受けたキム・ミンジェは、相手のプレスを受けてGKチョ・ヒョヌ(33、蔚山HD FC)へのバックパスを試みた。ところが、パスの勢いがあまりにも弱く、相手FWに奪われてしまう。
結局、ペナルティエリアに侵入した相手にチョ・ヒョヌが一歩遅れて飛び出すも、最後は無人のゴールへ冷静にシュートを流し込まれてしまった。
この致命的なミスの後、キム・ミンジェは何度も不安定なプレーを繰り返した。単純なパスミスでピンチを引き起こし、守備時も普段と違い戸惑っているように見えた。パレスチナの少人数による攻撃を防げず、さらなる失点の危機を招く場面も見られた。
キム・ミンジェはドイツ・ブンデスリーガ屈指のメガクラブであるバイエルンで主力として活躍するセンターバックだ。韓国でも最も頼もしい選手であることは間違いないが、この日の試合に限ってはその名声や期待に及ばないパフォーマンスだった。
守備的MFパク・ヨンウ(31、アル・アイン)の役割も惜しかった。
先制を許した韓国は攻勢に出るため、全体的にラインを引き上げて反撃に出た。ただ、ボールを奪われた際にカウンターを受けやすい構造だったため、パク・ヨンウの守備加担が重要だった。
しかし、パク・ヨンウはポジショニングや対人マークなど、守備的MFの基本となるプレーで不十分さを見せた。ボールキープやパスなどでは長所があるものの、守備面で弱いという評価を覆すことができない試合内容だった。
後方の選手が不安定だったことで、韓国は試合の主導権を握ることに苦労した。ボールが中盤を経由し、前線まで円滑に回る場面も少なく、90分通してパレスチナを圧倒することができずに試合は終了した。
なお、韓国は来年3月の最終予選2連戦で、3月20日にオマーン代表、25日にヨルダン代表といずれもホームで対戦する予定だ。
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