韓国の公営放送KBSのパク・ミン社長が“性接待”強要スキャンダルとして知られた故チャン・ジャヨンさん事件など、各種疑惑と議論について対国民謝罪文を発表した。
パク・ミン社長は11月14日、「私は今日、公営放送の主人である国民の皆様に、これまでKBSが過ちを犯したことを謝罪し、真の公営放送に生まれ変わるという覚悟を固めるためにこの場に立った」とし、「公営放送として核心価値である公正性を傷つけ、国民の信頼を失った状況に深く遺憾を表し、国民の皆様に丁重に謝罪する」と明らかにした。
続けて「韓国社会に波紋を呼んだ故チャン・ジャヨンさん死亡事件と関連しては、後援金詐欺疑惑を受けて海外に逃避したユン・ジオ氏を出演させ、虚偽の主張を繰り広げるようにした」とし、「ここ数年間、公正性の批判が繰り返されましたが、形式的な謝罪や懲戒にとどまっただけで、過ちは繰り返され続けた。今後、このような事例は容認しない」と力強く語った。
その他にもパク・ミン社長は「無分別な速報競争はしない」「確認された事案とそうでない事案は明確に区分し、匿名報道は最大限自制する」「ファクトチェックを活性化して誤報が発生しないようにし、それでも誤報が発生したなら直ちに謝罪する」「不公正な報道で議論になった場合、過ちを問い詰めて責任を問う」「今後放送の公正性と信頼性の確保をKBS経営の最優先価値に置く」と強調した。
KBSパク・ミン社長の「対国民謝罪文」全文は、以下の通り。
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こんにちは。KBS社長のパク・ミンです。
私は今日、公営放送の主人である国民の皆様に、これまでKBSが過ちを犯したことを謝罪し、真の公営放送に生まれ変わるという覚悟を固めるためにこの場に立ちました。
今年はKBSが公営放送としてスタートしてから半世紀になる年です。
しかしKBSは今、絶体絶命の生存危機に直面しており、その中心には信頼の危機が位置しています。
公営放送として核心価値である公正性を傷つけ、国民の信頼を失った状況に深く遺憾を表し、国民の皆様に丁重に謝罪申し上げます。
代表番組であるKBS『9時ニュース』は、いわゆる検言癒着(検事と言論の癒着)事件の誤報で翌日謝罪し、司法当局の捜査で関連記者が起訴される事態に至りました。
韓国社会に波紋を呼んだ故チャン・ジャヨンさん死亡事件と関連しては、後援金詐欺疑惑を受けて海外に逃避したユン・ジオ氏を出演させ、虚偽の主張を繰り広げるようにしました。
2021年4.7再・補欠地方選挙の直前には、いわゆる「オ・セフン、センテタン疑惑」を集中的に報道しました。「センテタン報道」は、短期間で真実究明が難しい内容を選挙直前に集中報道することで選挙戦に影響を及ぼそうとしたと批判されました。
2022年の大統領選挙直前には、最終的に捏造された内容であることが明らかになった「キム・マンベ録音」を報道しました。
検察の捜査とは別に、放送通信審議委員会はキム・マンベの報道と関連してKBSに、課徴金3000万ウォンの重懲戒を下しました。
このような代表的な事例の他にもKBSニュースはここ数年間、不公正な偏向報道議論が絶えませんでした。
また、テレビやラジオの時事番組でも、一部の司会者が一方的に一方の陣営の味方になったり、パネル選定が偏っていたりするケースが少なくありませんでした。ある番組では公正性の議論で、放送通信審議委員会からなんと40件の制裁を受けたりもしました。
さらに深刻な問題は、ここ数年間、公正性の批判が繰り返されましたが、形式的な謝罪や懲戒にとどまっただけで、過ちは繰り返され続けたという点です。
私は今後、このような事例を容認しません。
不公正な偏向報道で社会的物議をかもした記者やPDは直ちに業務から排除し、できるだけ厳正に懲戒します。誤報事例の再発を防ぐため、主要な不公正放送の経緯と真相を徹底的に究明し、白書を発刊します。
会社側が該当事案に対して適切な措置を取ったかを調べ、必要であれば追加措置も取ります。
不公正、偏向の議論を遮断するための強力な対策も施行します。
―まず無分別な速報競争はしません。
―確認された事案とそうでない事案は明確に区分し、匿名報道は最大限に自制します。
―ファクトチェックを活性化して誤報が発生しないようにし、それでも誤報が発生した場合はすぐに謝罪します。
―訂正報道は原則としてニュースの冒頭で報道します。
―不公正報道で議論になった場合、過ちを問い詰めて責任を問います。
―特に意図的で重大な誤報については、局長や本部長などの指揮ラインまで問責します。
公営放送KBSには「放送制作ガイドライン」があります。「制作者は論争となる事案について特定の観点から取材、報道、放送してはならず、視聴者が正しい判断ができるよう客観的な立場で伝えなければならない」と明示されています。
KBSはすべての報道と番組で、この原則を徹底的に遵守します。私は今後、放送の公正性と信頼性の確保をKBS経営の最優先価値としておきます。
KBSに対するもう一つの批判は「放漫経営」です。
KBSは国民から昨年、7000億ウォンの受信料を受け取りました。それにもかかわらず、非効率で放漫な経営で昨年100億ウォンを超える赤字を出したのに続き、今年はおよそ800億ウォンの赤字が予想されます。
そして国民の信頼喪失による受信料の分離徴収で、過去のIMFや金融危機よりもさらに非常事態を迎えることになりました。従来の経営方式ではこの危機を乗り越えることができないだけに、特段の経営革新に乗り出します。
まず、私自身と役員たちは経営が正常化するまで率先して賃金の30%を返納します。残りの幹部と職員も参加する方案を用意します。
名誉退職を拡大実施し、逆三角形の非効率的な人材構造を改善します。それでも人材運用の効率化がなされない場合、構造調整も検討します。
人事、昇進、予算制度も全面的に刷新します。入社すれば成果と関係なく誰もが上位職級に上がることはもうないでしょう。そうなれば多くの批判を受けてきた無補職高賃金職員、柱の後の職員も消えるでしょう。
予算で最も大きな部分である制作費の浪費は、根本的に遮断します。
スタッフの能力と関係のない順番式制作の慣行をなくし、能力があり検証された演出者を集中的に支援します。番組別の予算投入と収益構造を精密に分析し、制作費用の効率性を極大化します。
もうためらう時間もありません。破壊的な革新を通じてスマートで効率的な公営放送に生まれ変わるよう努力します。
国民の皆さん。私たちは公営放送の主人である国民のムチを受ける覚悟ができています。今から変わります。
視聴者の声にもっと大きく耳を傾け、より身近に寄り添う、真の公営放送KBSに生まれ変わります。ありがとうございます。
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