日本の福島第1原発の「汚染水(日本では処理水)」海洋放出が本格的に始まったなか、韓国国内の流通業界と消費者が水産物消費に神経をとがらせている。
これと関連し、公職者に対する名節の農水産物贈り物の構成品にも、水産物が構成されるか動向が注目されている。
日本が福島第1原発で貯蔵していた放射能汚染水の海洋放流を本格的に始めた。これに対し、韓国国内では水産物消費萎縮の憂慮が深刻化している。
このような消費萎縮が水産物忌避にも広がる場合、韓国国内の流通街はもちろん、小商工人にも打撃を与えかねないため、国内水産業界に赤信号が灯った。
8月27日、政府が公式な要請を通じて水産物消費促進に乗り出したことで、流通街はより一層苦心に陥った。
東京電力は福島第1原発の汚染水防水口付近の魚を対象に毎日行うトリチウム(三重水素)分析を行っていると伝えたが、水産物の安全性について消費者は懸念を表明し続けているためだ。
流通業界は政府の要請があっても、水産物を活用したメニュー、水産物の積極的な輸入などでむやみに比重を増やすことができない状況に苦しんでいる。
特に、秋夕を約1カ月後に控えた現在、秋夕「水産物」ギフトセットの構成に対する消費者の反応に業界が神経をとがらせている。
流通業界が水産物品目を除いたギフトセットを構成するか、政府の推奨によって水産物を積極的に構成するかがカギとなる見通しだ。
消費者は水産物拡大、水産物販売に対して不満の声を出しているが、大型マートやデパートなどは秋夕ギフトセットに構成される水産物が「安全だ」と口をそろえる。
各流通業界は、すでに福島汚染水の放流以前に確保しておいた水産物でギフトセットを構成したと明らかにした。
新世界百貨店は「汚染水放流前に購入を終え、来年の旧正月の分も物量をすべて確保しておいた」と明らかにした。
現代デパートは「名節を代表する水産物ギフトセットの代表商品であるイシモチ、アマダイなど主要品目に対し、今年の秋夕及び来年の旧正月販売に必要な物量は汚染水放流前に買い入れをすでに終えた状況だ」とし、「水産物品質管理基準を強化及び放射能検査拡大を進めており、水産物買い入れ前後に担当商品企画者が放射能測定器を利用して放射能数値を測定している」と伝えた。
大手スーパーも同様だ。流通業界は消費者のニーズに合わせ、放流前の水産物でギフトセットを構成し、汚染水への懸念に対応しているという立場だ。
ホームプラスは「秋夕ギフトセットの主要水産物構成品であるタチウオ、イシモチもまたすでにに事前物量として準備しており、冷凍製品はすでに昨年確保した」と明らかにした。
イーマートは「イシモチ、鮮魚のような冷凍製品は7月前に備蓄しておいた」とし、「消費者の安心のために、汚染水放流以前の水産品であることを明示するカードも同封して販売している」と伝えた。
ロッテマートもまた、「汚染水放流以前に事前備蓄された冷凍物量でギフトセットを生産した」とし、「国産イシモチやアマダイなどを含め、海苔ギフトセットも需要が低くなる可能性に対応し、輸入冷凍エビギフトセットを発売する」と伝えた。
このように、政府の積極的な消費促進と水産物拡大案に不満の声が出ると、流通業界は日本産汚染水水産物への懸念に対して積極的に防御している。
しかし、このような防御態勢も長期化が可能かどうかを見守らなければならない。
一方、「請託禁止法」いわゆるキム・ヨンラン法施行令改正案が議決されたことにより、8月30日から公職者に対する名節の農水産物贈り物の価格が20万ウォン(日本円=約2万円)から30万ウォン(約3万円)に上昇した。
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