韓国元大統領に“殺鼠剤”を配達したユーチューバー、懲役から罰金へ減刑「表現の自由保障」

2022年07月21日 社会

李明博(イ・ミョンバク)元大統領に殺鼠剤を配達しようとしたユーチューバーに、一審で懲役刑の執行猶予を言い渡されが、控訴審で罰金刑の執行猶予として減刑された。

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7月21日、ソウル中央地裁刑事控訴9部のヤン・ギョンスン部長判事は、特殊脅迫の疑いで起訴されたユーチューバーのウォン容疑者に、罰金500万ウォン(約50万円)、執行猶予1年を言い渡した。先立って行われた一審では、同氏に懲役6カ月、執行猶予1年が宣告されていた。

控訴審裁判では、「宣告を一度延期しただけに深く考えた。被告人が政治的に異なる見解を持っているという点と、憲法上の表現の自由を考慮しても、被告人の行動は社会常規や正当な行為から外れたものと見られる」と告げられた。

李明博元大統領

続けて「嘲笑するのであれば、ネズミ捕りやネズミの絵を送るなどの方法もあるが、あえて人々が最も敬遠する“殺鼠剤”を送った点を見ると、一般人が怖がる恐れがある」としながらも、「表現の自由を最大限保障し、刑量を少し削ってあげることにした」と付け加えている。

政治、時事問題に関するYouTubeチャンネルを運営していたウォン容疑者は、2019年3月、ソウル江南区論峴洞(カンナムグ・ノヒョンドン)にある李元大統領私邸に殺鼠剤を渡そうとしたが、警察に制止された。しかし、その後宅配で配達し、脅迫した疑惑を受けている。

警護官は宅配物が殺鼠剤であることを確認し、秘書官に報告したあと、捨て、実際に殺鼠剤が李元大統領に配達されていなかったことが調査の結果分かった。ウォン氏側は裁判で、「政治パフォーマンスに過ぎなかっただけで、脅迫しようとする意図はなく、箱が李元大統領に到達しなかったため脅迫は成立しない」と主張した。

なお2018年3月、横領、賄賂などの疑惑で拘束捜査を受けていた李元大統領は、2019年3月も保釈された。ウォン容疑者は当時、李元大統領に毒薬を送ろうとしていたという。

以後、李元大統領は2020年2月に行われた二審で懲役17年刑を宣告されて再拘束。同年10月には、最高裁で懲役17年と罰金130億ウォン(約13億円)が確定した。

現在、李元大統領は健康悪化などを理由に、刑執行停止3カ月を受けて6月28日に釈放され、殺鼠剤が配達された論峴洞の私邸で療養中だ。

現在の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が親李明博系として躍進したため、8月15日の光復節特使として李元大統領が出所する可能性も予想されている。

最近、大統領室の私的採用農団に不適切な発言で議論を巻き起こしたクォン・ソンドン「国民の力」代表代行兼院内代表は6月9日、「国民統合次元で李明博元大統領に対する赦免が必要だ」と発言したことがある。

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