“日本旅行ボイコット”が盛り上がる韓国…キャンセル続出で航空・旅行会社への影響は?

2019年07月31日 社会 #日本不買運動

会社員Aさんは家族と8月の東京旅行を計画したが、日本不買運動が広がり、日本旅行をキャンセルするかどうか悩むことに。結局、キャンセル料60万ウォン(約6万円)を払って、済州島へ旅行することを決めた。

大学生Bさんは、アルバイトで貯めたお金で3カ月前、日本行きのチケットを予約した。だが日本不買運動によって状況が変わった。Bさんは「一生懸命バイトして貯めたお金で、すでに予約して出発だけを待っている状態。キャンセル料も負担になるし、そのまま行くことにした」と話した。しかし「初めての旅行で、その感動をSNSにアップしたかったが、静かに行かなくてはならなくて残念だ」と打ち明けた。

日本の輸出規制によって韓国で日本不買運動がますます激しくなり、夏休みにもかかわらず、日本行きの航空券がキャンセルされたり、購入が控えられたりしている。

(写真提供=読者)成田空港

日本旅行のチケットをキャンセルした画像をSNSで上げれば称賛コメントが書き込まれる一方、日本旅行をした写真を公開すると「親日派、売国奴」などと非難される。そんな“雰囲気”が不買運動をさらに盛り上げている。

日本旅行の減少で最も大きな打撃を受けているのは、旅行会社と日本路線の割合が高い格安航空会社(LCC)だ。

旅行・航空会社は、急減する需要のなかで、航空券の価格を大幅に割り引くマーケティングが難しい厳しい立場にある。一部の航空会社は、日本路線の運航縮小など構造調整を断行し、中国や東南アジアなど他の路線を増やすなどの対策に乗り出した。

7月28日、業界によると、国際線の予約のなかで日本行きの航空券が占める割合は、月間の予約全体の25%に達したが、7月3週には10%まで急落した。日本の航空券の払い戻し件数も6月4週の9%から、7月3週には44%にまで上昇した。この期間、航空券を予約した人数は、福岡は46%、大阪は36%も減少した。

日本旅行をキャンセルしたという証拠画像をSNSに上げる人も

旅行会社の場合、キャンセルの割合が昨年に比べて大幅に増加した。

去る7月25日、ウィメプツアーは、不買運動が始まったことで日本行き航空券のキャンセルの割合が5倍に急増したと発表した。大型旅行会社であるモドゥツアーとハナツアーも7月5日以降、それぞれ50%、30%以上も新規予約が減少したという。

日本路線の割合が高い格安航空会社は、日本旅行ボイコットの動きに泣き顔だ。

それでも7~8月は、日本行き航空券の急減はそれほど感じなかったという。ただ昨年まで日本の人気路線は売り切れが当たり前だったが、今年はいくつかの座席が残っていることが確認できた。また、7~8月の日本路線の航空券を検索してみると、最低1万ウォン(約1000円)にまで落ちた低価格航空券がたくさん見つかった。

エアソウルの場合、8月初旬の大阪行き航空券のいくつかの日にちと時間帯では、最低1万ウォンで販売されており、同期間、済州航空やティーウェイ航空も2万5000ウォン(約2500円)の航空券があった。

一方で返金されない7~8月の超特価航空券の場合、完売したり、残り座席数が一桁というケースも少なくなかった。

エアソウルとティーウェイ航空の大阪行き航空券の販売状況。8月2日出発の仁川~大阪路線では、最低1万ウォン(約1000)の航空券があり、座席も残っていた

航空会社は、市場の需要に応じていくつかの路線で価格調整が起こる可能性があるという。

LCC業界関係者は、「全体的に日本旅行の需要が大幅に減少し、低価格帯の航空券の残り座席が散見されるので、東南アジアなど他の路線と似ている」とし、「搭乗率は大きく減らなかったが、予約流入率が落ちたことを体感している」と述べた。

別の関係者も「政治的問題と旅行の需要は別だ」とし、「通常の日本路線は7~8月の休暇期は、2~3カ月前に事前に前売りする場合が多く、キャンセルもあまりない。ただし旅行会社を通じて団体でキャンセルすることはあるが、需要が高まるのでそれも売れる。問題は9月以降だ。この時期から大幅な変化が出る可能性があり、そのようなボイコットの動きが長期化した場合に備えて注視している」と述べた。

日本不買運動はある程度、長期化すると予想され、収益性の改善のため路線ポートフォリオの調整が不可避となった。業界では最近、日本路線の割合を減らし、中国と東南アジア路線を増やす方向で整理している。

【関連】韓国で“日本ビール”の販売量が激減…「日本不買運動」の効果が明らかに

ティーウェイ航空は7月24日から週3回運航していた務安(ムアン)~大分路線を停止しており、今後釜山(プサン)~大分、大邱(テグ)~熊本、釜山~滋賀の3つの路線も暫定的に中断する方針だ。イースター航空は9月から釜山~大阪、釜山~札幌の2つの路線を中断する。エアプサンは9月から大邱~東京路線を停止し、大邱~大阪、大邱~北九州の2つの路線の運航回数を削減する。

それに対して航空会社は、長期的な計画のもとに行われた措置で、日本路線の需要の減少とは無関係であることを強調した。

LCC業界の関係者は、「日本路線を中断したり、削減したりする理由は、中国など新路線を追加するために早くから計画されていたこと」とし、「地方発を中心に人気のない路線を整理しており、全体的なスケジュール調整は冬季スケジュールを組む10月から行われる予定だ」と語った。

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