尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、キム・ゴンヒ氏の親族が運営する京畿道・南楊州市の介護施設で、入所者が放置された末に死亡したという疑惑が浮上し、波紋が広がっている。
5月1日、野党「祖国革新党」は、キム・ゴンヒ氏の母チェ・ウンスン氏と兄キム・ジヌ氏を遺棄致死および高齢者虐待の疑いで警察に告発した。
祖国革新党の「尹錫悦・キム・ゴンヒ共同政権清算特別委員会」は同日、警察庁前で記者会見を開き、「昨年12月、キム・ゴンヒ氏の親族が運営する南楊州市のA介護施設で、80代の高齢者が3週間以上、下痢の症状を見せていたにもかかわらず、病院に搬送されず死亡する事件が発生した」と明らかにした。
同党は「状況から見て、費用を節約するために最低限の措置すら取らなかったものと見られる」とし、「親を信じて預けた家族を裏切る行為であり、人間としての最低限の責任さえ放棄した犯罪だ」と主張した。
この介護施設は、キム・ゴンヒ氏の兄であるキム・ジヌ氏が法人代表として登録されており、母チェ・ウンスン氏が実質的に運営を担っているという疑惑が、複数の情報提供や公益通報によって提起されている。
介護施設は、1人当たり月37万5000ウォン(約3万7500円)の給食費を国家から支給されているが、実際の間食費は100ウォン(約10円)程度にとどまるという内部告発があった。バナナ7本と水を混ぜて、16人分のジュースを作ったという証言も公開された。
MBCや『ソウルの声』などの報道によると、一部の間食には腐った果物が使われており、食器の衛生状態も劣悪だった。ある介護職員は「うちの犬にもあげないような食事だ」と証言している。
この介護施設は、常駐の医療従事者なしに運営されていたとされ、病院との連携もないまま、医療的措置を取らずに入所者を放置していた事実が確認されれば、業務上過失致死の可能性も排除できない。
2021年の健康保険公団による定期評価では、この介護施設は「高齢者の人権」項目で「不十分」との評価を受けており、現場調査および医療給付金の返還の可能性も指摘されている。
南楊州市および国民健康保険公団は、公益通報の受理後、すでに現地調査に着手しており、市の関係者は「調査結果に応じて業務停止、指定取消、給付金の返還などの行政処分を検討する予定だ」と述べた。
祖国革新党は「キム・ゴンヒ一族が運営しているという理由だけで、5カ月間、監査も捜査も行われなかった」と批判し、「高齢者の命を奪った今回の事案は、単なる行政上の問題ではなく重大な刑事事件だ」と強調した。
警察は告発状を受理し、関連資料を確保した上で、事実関係の確認に乗り出す方針だ。
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