韓国国会の法制司法委員長であり弾劾訴追団長を務めるチョン・チョンレ議員が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の“全員一致”罷免決定を「夢で予見した」と告白して話題だ。
韓国の憲法裁判所は4月4日午前11時、裁判官8人の全員一致で、尹錫悦大統領の「罷免」を認める決定を言い渡した。これで2017年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領以来、韓国の歴史上2人目の大統領罷免が決まった。
そんななか、チョン・チョンレ議員は罷免決定後に行われたインタビューで、憲法裁判所による「8対0」の罷免決定を夢で予見したことを明かした。
本人によると、憲法裁判所の判決が下された4月4日当日の早朝に奇妙な夢を見たという。
夢の中に登場したのは、これまでいくら磨いても光らなかった古びた靴1足。すると、突如その靴がつやのある新品のように変化した。汚れだらけの靴が綺麗に輝いたのだ。
直後、目を覚ましたチョン議員は妻に思わず「おい、8対0だ」と叫んだ。これに驚いた妻が理由を尋ねると、彼はこう答えた。
「汚れて磨かれていなかった靴が、あまりにも綺麗に磨かれたんだ。この靴を履いて“新たな出発”をするという意味のようだ!」
チョン議員は憲法裁の判決を控え、弾劾訴追団長として誰よりも多くの情報に接していたが、それを口外することはできなかった。そんな彼が罷免決定後に明かしたもう一つの夢が、3月20日前後に見たものだった。
当時の夢の中で、チョン議員は憲法裁判所のムン・ヒョンベ所長権限代行の事務室を訪れ、「なぜ判決の日を決めないのか」と詰め寄った。
するとムン所長権限代行は無言のまま、大きなカレンダーを指差した。そのカレンダーの3月第3週と第4週は、赤いマジックで塗りつぶされていたという。
その後もチョン議員は問い続けたが、ムン所長権限代行は多くを語らなかった。結局、チョン議員は夢の中で答えを得られないまま、早朝4時40分頃に目を覚ました。その時、彼は「ああ、3月末に宣告日が決まり、実際の宣告は4月4日なんだ」とポジティブに夢を解釈したという。
チョン議員の“予知夢”は現実となった。前出の通り、憲法裁は4月4日、8人の裁判官が全員一致で尹前大統領の罷免を決定した。
チョン議員の夢は、単なる偶然ではなかったのかもしれない。
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