かつてない自作自演だ。
自身の曲を“死亡説”で宣伝しようとしたラッパー、Ch1tkey(チートキー、本名チョン・ジュンヒョク)のことだ。そこに態度問題まで加わり、世間からの非難が殺到している。
7月30日午前、前例のない“自作自演死亡説”がネットを中心に熱く盛り上がった。HIPHOP関連コミュニティを中心に、Ch1tkeyの死亡説が浮上したのだ。
始まりは、Ch1tkeyの友人だと名乗るA氏の投稿だった。「インスタグラムフォロワーが1400人に到達すれば、Ch1tkeyが屋上の端から落ちる公約を掲げた」とし、「Ch1tkeyが落ちる真似をして、視聴者のなかから一人にランダムでオンラインギフトを差し上げて終える計画だったが、Ch1tkeyが滑って下に落ちた」と明かしたのだ。
2003年生まれで21歳と若いラッパーが、1400人ものフォロワーが見守るなかで死亡したというニュースは、大きな衝撃をもたらすことに。A氏の「5階建てのビル」「中間に段差があった」「冗談だと思って降りたら反応がなかった」「119番通報して救急室に行ったが、心停止で死亡判定を受けたという」と具体的に説明が、死亡説に少なくない信憑性を与えた。
また、Ch1tkeyの恋人と名乗るB氏の「お兄さんが夢見ていた世の中で、自由に豊かに暮らせると信じている」「この間、とても苦労したね」「あまりにも泣いた」「お兄さんは良いところに行ったと思う」「愛してる。そしてごめん。ありがとう」「そこに行っても、いつも幸せでいてね」など、追悼文が拍車をかけた。
それだけでなく、B氏はCh1tkeyの母親とのやり取りも公開。「お母さんこんにちは、私はジュンヒョクさんの彼女です」と通話した内容や、「彼のお母さんと1時間ほど通話した。結論としては、救急室に行って意識不明の状態だという。泣きすぎて目が開かない」と悲しみを隠せなかった。
このような“巧妙”な仕掛けが功を奏したのか、ネットユーザーたちもともに悲しみ、追悼した。だが間もなく、Ch1tkeyの死亡説は偽りだという主張が出てきた。
あるネットユーザーは、「知り合いが、Ch1tkeyが住む建物の前の家に住んでいる。警察が来たが、アルバム広報のために関心を集めたのだという。彼女も本人もいた」と主張したのだ。
そして死亡したと思われたCh1tkeyがSNSに登場。彼は「嬉しいねー」という文とともに、「俺が帰ってきた」という歌詞が含まれた自身の楽曲を『back』をBGMに設定したショート映像を公開。そしてB氏もやはり、「すみません、プインプイン」「今日は復活祭です」と、自作自演の劇を楽しむような言葉遣いで反応した。恋人はCh1tkeyの母親とも通話したと明かしていたため、さらに大きな衝撃を与えた。
そのため、Ch1tkeyのSNSには「人の命でいたずらしていいのか」「一日一日、命は限りあるものなのに本当に衝撃的だ」「いくら分別がないとはいえ、誰かが出したアイディアを皆で一緒に仕組んだのがとても衝撃的」「特におもしろくないし、これが高卒レベルのユーモアか」「これがどん底の人生かww」「20代なのにまだ中二病かよ」「音楽は本物のゴミ」など、非難が殺到。嘘に対する謝罪ではなく、まるでバカにするかのような彼の態度が火に油を注いている状況だ。
結果的に「Ch1tkey」の名が広く知れ渡ったことは確かだが、肝心の音楽は誰の心にも届かないだろう。
(記事提供=OSEN)
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