旧正月の連休期間、韓国でとある韓国映画が大きな話題を呼んだ。その映画とは、1月22日に封切られた映画『南山の部長たち』(原題)だ。
1月27日には公開6日目で観客動員数300万人を突破し、旧正月連休のボックスオフィス・ランキングでも堂々の1位に輝いている。
近年ハリウッドでも活躍する俳優イ・ビョンホンと、『インサイダーズ/内部者たち』を手がけたウ・ミンホ監督が2度目のタッグを組んだ『南山の部長たち』は、イ・ビョンホンのほかにも映画『工作 黒金星と呼ばれた男』で主演したイ・ソンミン、『哭声/コクソン』のクァク・ドウォンといった演技派俳優らが集結し、制作段階から期待を集めていた。
公開直前に行われたVIP試写会には、イ・ビョンホンの妻で女優のイ・ミンジョンをはじめ、イ・ビョンホン主演ドラマ『ミスター・サンシャイン』(Netflixにて配信中)の出演陣が応援に駆けつけている。
ただ、この映画が注目を集めているのは、豪華キャストや監督の知名度だけではない。
韓国はかねてより実話を映画化するケースが多く、前出の『インサイダーズ/内部者たち』や「華城連続殺人事件」をモチーフにしたポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』をはじめ、数多くの実話映画がヒットを飛ばしてきた。
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また、1980年の「光州事件」をもとにした『タクシー運転手 約束は海を越えて』、1987年の学生運動家・朴鍾哲(パク・ジョンチョル)拷問致死事件および民主抗争を描いた『1987、ある闘いの真実』、故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が弁護士時代に関わった「釜林事件」を描く『弁護人』など、韓国の近現代史を語るうえで外せない事件を描いた作品も多い。
これらの映画と同様に、『南山の部長たち』も韓国人の記憶の奥底に眠っていた“とある事件”を再現している。