NHK総合テレビで放送された韓国時代劇『不滅の恋人』が先日の放映で終了した。
最終回では、気になる愛の行方や兄イ・ガンと弟イ・フィの最後の闘いも完全な決着がついた。ドラマは史実とは異なる結末を迎えただけに、実際にはどうだったかと気になる視聴者たちも多かったと思う。
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韓国でもそうだった。
韓国で『不滅の恋人』が初放映されたのは、今から1年半以上も前。『大君~愛を描く~』のタイトルで、ケーブルテレビ『TV朝鮮』で2018年3月3日~5月6日に放送された。
最終回の視聴率は5.6%(ニールセンコリア)を記録。視聴率1~2%を突破すれば高いといわれるケーブルテレビでの放送にもかかわらず、最終回で見事に有終の美を飾ったのだ。
実はこの数字は、当時のTV朝鮮の過去最高視聴率だった。
当然、ドラマの人気が高いからこそ視聴率も良かったわけだが、「5.0%超え」の裏には、ある“公約”があったことをご存知だろうか。
その公約とは、「視聴率が5.0%を超えたら光化門(クァンファムン)で出演者が“フリーハグ”をする」というもの。ドラマ制作陣が発表し、『不滅の恋人』の視聴率に関心が集まったのだ。
日本ではあまり馴染みがない文化かもしれないが、韓国では映画の出演者たちが「観客動員数が○○万人を突破したら…」などと、公約を掲げて作品の興行を盛り上げることが少なくない。
『不滅の恋人』もそれにあやかって公約を掲げ、最終話で5.6%という高い視聴率が出た。
こうして今度は、チン・セヨンをはじめ、ユン・シユン、チュ・サンウクの主演3人が公約を果たす順番となったのだ。
もちろん3人は公約を守った。『不滅の恋人』フリーハグイベントは、2018年5月9日の夕方に行われた。
主演3人は、フリーハグイベントの現場を訪れた多くのファンと、楽しげに言葉を交わしたりしながら抱き合った。現場に訪れたのは、文字通り老若男女の視聴者たちだった。
フリーハグを終えてチュ・サンウクは、「初めてだったので恥ずかしかった」としながらも、「多くのファンが来てくれた。本当に『不滅の恋人』が多くの愛情をもらったということを感じた」と話した。
またユン・シユンは「視聴率の公約を履行したのは初めて。フリーハグも初めてやってみたが、みんなが僕を抱きしめてくれてありがたかった」と語っている。
そしてチン・セヨンは「お年寄りの方もいらっしゃって“私たちのチャヒョン”とかわいがってくれた。イ・ガンのせいで涙をたくさん流したと言ってくれて、自分たちのドラマが愛されていたことを知り、本当にうれしかった」と振り返った。
まさに『不滅の恋人』は韓国で、大団円に終わったのだ。
そんな最終回が日本の視聴者たちにどう映ったかは人それぞれだろうが、これまでこの枠で放送されてきた『チャングム』や『イ・サン』『トンイ』『オクニョ』のように、『不滅の恋人』も韓流時代劇ドラマの代表作になった。
来年はどんな韓流時代劇が日本で人気を呼ぶことになるだろうか。また新たな名作が日本に上陸することを期待したい。
(文=慎 武宏)
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