元フェンシング女子韓国代表のナム・ヒョニ(42)の元婚約者で、投資詐欺や経歴詐称疑惑が持たれているチョン・チョンジョ容疑者(27)に対し、警察が逮捕状を申請した。
ソウル松坡(ソンパ)警察署は11月2日、特定経済犯罪加重処罰法上の詐欺容疑でチョン容疑者に対する拘束令状を申請した。チョン容疑者は講演などで知り合った人々から投資金の名目で金銭を集めるなどしたという。また、その過程で借金をするよう持ち掛けた疑惑もある。
警察が現時点で把握している詐欺被害者は15人で、被害規模は19億ウォン(約2億1000万円)を超える。これにより、刑法ではなく特定経済犯罪法が適用された。
特定経済犯罪法は、犯罪行為による利得額が5億ウォン(約5600万円)以上、50億ウォン(約5億6000万円)未満なら3年以上の有期懲役、50億ウォン以上ならば無期または5年以上の懲役で加重処罰となる。
警察関係者は「捜査次第で被害規模は継続して増える恐れがある」と明らかにしている。チョン容疑者の拘束前被疑者尋問(令状審査)は、早ければ3日にソウル東部地裁で開かれる予定だ。
チョン容疑者に対する告訴・告発を受け付け、捜査に着手した警察は10月31日、京畿道金浦(キョンギド・キンポ)に位置する親戚宅でチョン容疑者を逮捕した。その後、チョン容疑者の母親宅、元恋人のナム・ヒョニらと居住したソウルの自宅でも押収捜索を行った。
先立って10月23日、女性誌『朝鮮女性』のインタビューでナム・ヒョニの婚約者として紹介され、世間に知られた。自らをニューヨークで育った財閥3世、元乗馬選手、元IT業界役員、フェンシング事業家などと紹介したチョン容疑者だったが、直後に詐欺の前科が明らかになった。それだけでなく性別は女性で、出身地も偽っているという疑惑が相次いだ。
チョン容疑者は各種詐欺、経歴詐称のほか、ナム・ヒョニの母親宅を訪ねて数回ドアを叩いた疑い(ストーキング)と、夏頃にナム・ヒョニの甥をゴルフクラブで殴打した疑い(児童虐待)疑惑もある。
疑惑発覚後、ナム・ヒョニは自身もチョン容疑者に騙されていたとし、10月31日に詐欺、詐欺未遂、虚偽事実適時名誉毀損、住居侵入、脅迫、ストーキング処罰法違反などの疑いで告訴した。
◇ナム・ヒョニ プロフィール
1981年9月29日生まれ。韓国・京畿道出身。身長154cm。大韓民国の元フェンシング選手。オリンピックは過去4大会に出場し、2008年北京大会で個人銀メダル、2012年ロンドン大会で団体銅メダルを獲得した。2011年に元自転車競技韓国代表のコン・ヒョソクと結婚、2013年4月に第一子となる娘が誕生したが、2022年8月に離婚を発表した。現在はソウル江南区でフェンシング教室「ナム・ヒョニ・インターナショナル・フェンシングアカデミー」を運営している。
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