ディズニー映画『アナと雪の女王』の続編『アナと雪の女王2』(以下、アナ雪2)が、世界各国で熱い視線を浴びている。
日本では11月22日に日米同時公開され、12月1日までに興行収入43億582万円、観客動員数338万人というディズニー史上最短記録を更新した。
『アナ雪2』の凄まじい人気ぶりは、韓国でも変わらない。本国アメリカよりも1日早く(11月21日)公開された韓国では、前売り券の段階から購入者が110万人を突破していた。
12月7日の発表では公開17日目にして観客動員数1000万人を突破。前作より2倍の速さで観客動員数を伸ばしている。
ちなみに映画のメイン楽曲である『イントゥ・ジ・アンノウン(Into the Unknown)』も大ヒット。日本でも有名な少女時代テヨンがカバーアーティストを務めている。その歌唱力だけでなく、ビジュアルでも“エルサの現実バージョン”といわれるほどだ。
【写真】アナ雪2×少女時代テヨンの奇跡のコラボ!!「エルサの現実版だ!!」
ただ、日本で『アナ雪2』ステマ疑惑騒動が起こったように、韓国でも『アナ雪2』をめぐる問題点がいくつか浮上している。
まずは「スクリーン独占問題」だ。某市民団体は先日、『アナ雪2』が「独占規制および公正取引に関する法律」を違反したとしてウォルト・ディズニー・カンパニーKOREAをソウル中央地方検察庁に告発した。
この市民団体によると、『アナ雪2』は11月23日時点で韓国全国のスクリーン占有率88%、上映回数1万6220回という韓国映画史上最高数値を記録したという。
これは1つの事業者が市場占有率50%以上を確保したことと変わらず、「『アナ雪2』が観客の選択権を制限し、法律を違反した」というのが団体の主張だ。
「誤訳」騒動も起きている。
映画の序盤に主人公アナが雪だるま・オラフに「Enjoying your new permafrost?」と尋ねるシーンでは、「永久凍結」を意味するpermafrostが「氷の床シート」と翻訳され、まったく違う意味になってしまった。
後半に出てくる「Gesture charade」も、「ジェスチャーゲーム」ではなく「舞踏会」に。大人気作品だけあって誤訳に目を光らせていた過激ファンがいたとはいえ、この事実がわかると観客からのブーイングも相次いだ。
その矛先は翻訳家に向けらる勢いだが、ディズニーKOREA側は「翻訳家は非公開」の方針を貫いている。
そして、前回の『アナ雪』公開時にもあった「ノーキッズゾーン」(No Kids Zone/お子様お断り区域)論争だ。
映画館で『アナ雪2』を観賞するキッズ層のマナーの悪さに不満を募らせていた成人の映画ファンたちが、大人だけの「ノーキッズ上映」を要求する声が、今回の『アナ雪2』でも出てきたのだ。
「子供たちに邪魔されず静かに映画を観たい」「子供と大人の観客を分けたほうがお互いのためになる」というのが賛成派の意見だ。
一方の反対派は「あくまでも全年齢対象のアニメ映画という特性があるため、大人のほうが配慮すべき」「子供と大人で差別するなんて。差別の文化を拡散させるな」と主張している。
こうした賛否両論がネット上で飛び交っているのは、それだけ韓国でも『アナ雪2』が幅広い層の間で話題になっている証ともいえるのだが…。
いずれにしても、2019年の冬をさらに盛り上げそうな勢いの『アナ雪2』。これからどこまで動員記録を伸ばしていくのか。まだまだその勢いは収まりそうにない。
(文=慎 武宏)
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