史上3番目の犠牲者数…「バージニア工科大銃乱射事件」犯人の在米韓国人はなぜ“怪物”になったのか

2023年08月06日 テレビ

バージニア工科大学銃乱射事件の犯人に関するが話が韓国で放送された。

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8月3日に韓国で放送された『尻尾が尻尾を噛むあの日の話』(原題、SBS)では、2007年に起きた米バージニア工科大学銃乱射事件が取り扱われた。

この事件の犯人であるチョ・スンヒは、同大のノリス・ホールの出入口を鎖で封鎖したあと、講義室を歩き回りながら9分という短い時間で28人の学生と5人の教授、そして自身に銃弾を放った。33人は銃乱射事件史上3番目の数だ。

犯人のチョ・スンヒは8歳だった1992年にアメリカへと移住。学校内でも存在感の薄い学生だったという。家族にさえ学校生活について全く話さず、病院では“選択的咽頭症”と言われた。特定の状況で言葉を拒否すると診断されたのだ。

発音も下手で声もおかしいという理由から、中学・高校時代にいじめられていたチョ・スンヒ。事件について、自身も留学経験を持つラッパーのディンディンは、こう語った。

チョ・スンヒが“怪物”になってしまった理由

(画像=SBS)チョ・スンヒ

「人種差別に対する話が出てくる度に、答えにくいが私は打撃を受けなかった。留学時代“お前はどうしてこんなに目が小さいんだ”と言われたが、“お前は鼻がすごく大きいじゃないか”と対処して勝ち抜いた。そのため、言葉では大きなダメージを受けなかった。ここでもがいた瞬間、終わりだと思う。勝ち抜く方法が見つからないと、さらに酷くなるようだ」

事件後、周辺の学生たちは「東洋人が犯人だと言われた時、その学生(チョ・スンヒ)だと思った。いつか何かしそうだった」と証言していた。

周囲からの印象も良くなかった背景には、チョ・スンヒが授業中も帽子とサングラスをかけていたが挙げられる。それだけでなく、講義中、突然教室から出ていってしまうことも少なくなかったようだ。

また、書くことが好きだったが、学生と教授たちは彼の文章が好きではなかった。その理由は、非常に恐ろしく、暴力的な内容だったからだ。そんな彼に唯一手を差し伸べた人は、当時の英文学専攻長のルシンダ・ロイ教授だった。

ロイ教授は「彼がとても寂しそうだったので、友達はいるのかと尋ねた。彼が変わることを望み、家族についてもう少し知りたかったが、そのことについて話すのを嫌がった」と話す。

(画像=SBS)当時のことを語る現地警察官

ほかにもチョ・スンヒに手を差し伸べた学生もいた。彼らは家にチョ・スンヒを招待したが、数回で参加しなくなったと証言している。

このような環境で生活を送っていたチョ・スンヒは、犯行当日の2007年4月16日午前9時、寮で2人を殺害したあと、数日をかけて撮った写真と映像をアメリカのテレビ局に送っていた。これらにより、犯行前の動線など徹底的に計画を立てていたことが明らかになった。

凶行を決意させたトリガー

そしてチョ・スンヒが犯行前に書いた宣言文には、世の中に対する恨みや怒りなどが綴られていた。「おめでとう。あなたは私の人生を消滅させることに成功した。あなたのせいで私は、イエス・キリストのように弱くて自分を守ることができない人々、私の兄弟姉妹、子供たちのような人々に、インスピレーションを与えるために死ぬ。あなたたちは決して、私たちがどこで攻撃するか、あなたたちをどのように殺すかわからないだろう。君たちはいつも恐怖の中で生きていくだろう。私の人生を破壊して幸せなのか。まだ幸せなのか」と書いた。

この事件について、韓国・順天郷(スンチョンヒャン)大学警察行政学科のオ・ユンソン教授は、「決定的なトリガーは周囲からの拒否だと思う。チョ・スンヒはその責任を外部に転嫁した」とし、「“これは私の過ちではなく、私を認めてくれない”。それがどんどん積もると怒りゲージが次第に上がり、世の中に向けた憎悪、怒り、攻撃性に転換される可能性がかなり高い」と分析した。

チョ・スンヒの家族の反応はどうだったのだろうか。家族はチョ・スンヒの内面を全く知らず、事件が起きた時はもう手遅れだった。

チョ・スンヒの姉は家族を代表して謝罪の声明文を発表している。「私の家族は希望もなく、助けを求めることもできず方向を失った。スンヒは私が一緒に育って愛する人だが、私はスンヒを知らなかったようだ。弟の行動に私の家族は大きな遺憾を感じる」

生存者たちは銃規制キャンペーンを展開し、暴力予防財団を運営するなど痛みを乗り越えている。遺族も銃器事故の被害者を支援する活動を繰り広げている。

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