女優イ・ヨンエが、主演映画『私を探して』(原題)で児童の行方不明や虐待に関する悲しい現実を伝える。
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現在韓国には、486人の児童が20年以上帰宅できずに長期行方不明者になっている。彼らを探すため、その家族たちは苦痛の中でも努力を惜しまない状況だ。
11月19日にメディア試写会で上映された映画『私を探して』(11月27日韓国公開)は、このような現実を描いている。
女優イ・ヨンエの14年ぶりの復帰作として話題を集めたが、注目せざるを得ないのは作品が韓国社会に放つ重いメッセージだ。
劇中、イ・ヨンエ扮するチョンヨンは6年前に息子を見失ったあと、苦痛の中で暮らしている。夫のミョングク(演者パク・ヘジュン)は全国を回りながら息子を探しているが、厳しい現実にぶつかるばかりだ。
ある日、息子を目撃したという連絡を受けたチョンヨンは、迷わず見知らぬ村へ向かう。しかし、訪れた村の人々とホン警長は、彼女を警戒し、引き返そうとする様子。彼らの行動を不審に思ったチョンヨンは、やがて真実と向き合うことになる。
映画の中では、行方不明の児童を待つ家族の心情と現実の状況にスポットを当てる。チョンヨンと村の人たちの対立は緊張感を与え、どんでん返しが連続することでスリラーとしての役割を果たした。
映画の見どころは、なんといってもイ・ヨンエの演技。
以前より芯の強い女性となってスクリーンに帰った彼女は、前作映画『親切なクムジャさん』とは違う姿を披露する。
これまでのイメージを覆すイ・ヨンエの化粧気のない顔とぞんざいに結んだ髪は、彼女の本作への努力をうかがわせた。しかも、全身でぶつかる決闘や感情がクライマックスになるシーンでは、流石の一言に尽きる。
ただ、映画の全体的な流れに関しては、俳優たちの熱演に付いていけない感じだった。児童の行方不明や虐待問題とスリラーを組み合わせたことで、多少不自然な流れが生じたと思われる。
また、児童への虐待を描いたシーンは、観客によっては見辛いかもしれない。
いずれにしても、本作は世知辛い世の中で多くの人々が児童の行方不明に無関心で、目撃しても無視してしまうという現実を指摘している。
映画が観ている108分間、ずっと続く胸の痛みと悲しさは、もう行方不明児童探しのチラシを見過ごせないようにする。
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