BTS(防弾少年団)も所属するHYBEが、業界2位のSMエンターテインメントの株主価値向上のためのビジョンと戦略、分配政策などを発表した。
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HYBEは3月2日、株主提案キャンペーンページ「SM with HYBE」をオープンした。
HYBEはこのキャンペーンを通じて、来る31日に開催される定期株主総会の議決権委任を丁重に勧誘する一方、社内理事候補者であるHYBE CLO(最高法律責任者)、HYBEアメリカのイ・ジェサン代表の株主提案説明映像を掲載し、株主権益保護のための具体的な方案を公開した。HYBEの株主提案キャンペーンは、現SM経営陣が株主価値を深刻に侵害しているという判断によるものだ。
現SM経営陣が承認した「カカオとの“不当な”事業協力契約」「短期に急成長してこそ達成できる非現実的な“SM3.0”財務目標」「世論をごまかす感情的なメッセージ戦略などを断ち切り、経営の専門性と透明性を加えること」を骨子とする。
HYBEはキャンペーンウェブサイト内に電子委任ページを設け、個別株主が保有している議決権を簡単に委任できるようにした。保有株式数に関係なく、誰もが株主権を円滑に行使できるようにするという意図だ。
HYBEは株主提案を通じて、本質的なエンターテインメント事業と2次IP事業に対する幅広い経験と事業運営専門性を備えた理事会候補を均等に推薦した。
社内理事候補者としてHYBEアメリカのイ・ジェサン代表とHYBEのチョン・ジンス最高法律責任者(CLO)、HYBEのイ・ジンファ経営企画室長を提案。これらの候補者は、グローバルエンターテインメント、IT、コンテンツ企業の戦略と運営、法律、財務分野で多方面の経験を積んできた人物だ。
社外取締役候補者としては、法務法人ガオンのカン・ナムギュ代表弁護士と延世(ヨンセ)大学行政学科のホン・スンマン教授、国連環境計画(UNEF)金融イニシアチブのイム・デウン韓国代表を推薦している。カン・ナムギュ代表弁護士は法律専門家、ホン・スンマン教授は公認会計士であり社会科学分野の権威者、イム・デウン代表はESGおよび環境分野の専門家だ。
そのほかの非常務理事候補者としては、弁護士出身で、ローカスホールディングス代表とプレナスエンターテインメント代表を歴任したVIGパートナーズのパク・ビョンム代表パートナーを推薦した。非常勤監査候補者としてはアンジン会計法人とキム・ジャン法律事務所などに在職した経験のある公認会計士チェ・ギュダム元NCソフト常務を推薦している。
HYBEの株主提案が受け入れられることとなれば、過去にSMの経営上の問題を主導し、承認した人物と株主価値の向上に対して一貫性のない物差しを適用してきたアラインパートナーズ関係者たちは、SMにおける意思決定権を失うことになる。
また、HYBEは理事会の透明性を強化するための定款変更案も提示。
HYBEは「遵法監視人制度導入」「代表取締役と理事会議長の分離」「傘下委員会設立および独立的運営保障などの装置」を用意し、SMの内部統制強化および先制的な法律リスク防止のために努力する方針だ。
HYBEのイ・ジェサン社内理事候補者は映像を通じて、SMの「SM3.0」戦略をHYBEがともに推進する場合、シナジー効果が出る要素を一つひとつ指摘している。
まずSM3.0の戦略的方向に共感の意を表したイ候補は、SM3.0の主要事業をHYBEがすでに成功的に運営した経験があることを説明した。
「買収レーベル(PLEDISエンターテインメント)、新設レーベル(ADOR)、既存レーベル(BIGHIT MUSIC)をすべて成功させたマルチレーベル運営経験」「2次IP事業の売上比重を50%まで引き上げたIPコンテンツ多角化および事業化力量」「北米市場の圧倒的なネットワークをはじめとするグローバル事業インフラ」「SMが計画した新事業投資領域の大部分で、すでに検証されたHYBEの新事業履歴」などが紹介された。
ここでは、HYBEがSM3.0の方向性を最もよく理解し、ともに成長していける最適のパートナーという点を強調したのだ。
続いてHYBEビジネスモデルを土台に、SM3.0戦略実行と成功のための核心要素を共有し、現実的な目線で財務的、事業的リスクが予想されることにより、当該要因に対する全般的な再検討が必要だという見解を明らかに。
特にイ候補は、SMとHYBEがシナジー効果を出し、ともに成長できる戦略に対して長い時間を割いた。
イ候補は、「SMの本質である音楽事業は、オリジナル音楽コンテンツの品質最高主義哲学を強固に維持する方向で行われること」「アメリカ市場でのカタログ事業運営経験を活用し、リミックス、コラボレーション、プレイリスト交渉、2次IP置換などのカタログ事業の効率化及び成長戦略を推進すること」「ファンとのコミュニケーションとニーズ対応力も高めていく計画であり、現在よく行われている領域はさらに強固にしながら、追加で“約束の遵守”と“アーティスト保護”の観点からのプロセスを体系的に運営していく」と明らかにした。
グローバル戦略についても、「現地の音楽事業経験とネットワークのない新規パートナーではなく、主流事業者とのパートナーシップ活用」「諸般費用がかかる事業基地構築に重点を置かなくても、ファンデータ基盤で効率的なグローバル活動推進」「強化される交渉力を基にした統合的な事業拡張および収益性向上など、グローバルトップティア音楽企業に共に対抗するための様々な成長方案」を提示した。
最後に、HYBEは株主と経営陣の利害関係が一致する株主還元、および補償政策を計画した。イ候補は「今後3年間、SMの当期純利益30%配当性向を維持しながら、成長と株主価値をバランスよく向上する補償体系を導入する方針」と話した。
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