開幕式では、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した『パラサイト 半地下の家族』の女優チョ・ヨジョン、俳優パク・ミョンフン、映画『EXIT』(原題)でW主演を務めた俳優チョ・ジョンソクと少女時代ユナなどがレッドカーペットを彩った。
また『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督、『君の名前で僕を呼んで』で人気のハリウッド俳優ティモシー・シャラメも、映画ファンたちと交流する予定だ。
日本からは、最新作『真実』がアジア初上映となる是枝裕和監督と、アジア映画の窓部門にて初の監督作『ある船頭の話』を披露するオダギリジョーが釜山を訪れる。
実は今年7月から韓国で始まった“日本不買運動”もあって、釜山国際映画祭における「日本映画の上映可否」にも韓国では関心が集まっていた。
というのも、7月に公開された『名探偵コナン:紺青の拳』が興行面で不調に終わり、『ドラえもん のび太の月面探査記』は上映延期になるなど、日本映画にも不買運動の影響が出ていたのだ。
ただ、釜山国際映画祭のチョン・ヤンジュン執行委員長は8月に行われた記者会見で「日本の輸出規制が始まる前(6月)にすでに日本映画70作品を検討し、招待作の99%を決めた」と語り、釜山国際映画祭に悪化する日韓関係の影響はないことを明らかにしていた。
その言葉通り、今年は合作を含め15本の日本作品が映画祭の上映ラインナップに並んでいる。
まず、森山未來が出演する日本・カザフスタンの合作『オルジャスの白い馬』(竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ共同監督)が、オープニング作品としてワールドプレミア上映された。
そして前出の『真実』(是枝裕和監督)、『ある船頭の話』(オダギリジョー監督)のほか、『旅のおわり世界のはじまり』(黒沢清監督)、窪田正孝が主演を務めた『初恋』(三池崇史監督)、吉田修一原作・綾野剛主演の『楽園』(瀬々敬久監督)なども上映予定だ。
ちなみに閉幕作に選ばれた韓国映画『ユンヒへ』は、小樽が舞台となっていて、日本女優・中村優子、木野花が出演するという。
韓国第2の都市・釜山で12日間にわたって開催されている釜山国際映画祭。アジアの映画界がさらなる発展を遂げるためにも、大いに盛り上がってくれることを願うばかりだ。
(文=慎 武宏)