ドラマ『ウ・ヨンウ』“腹黒策士”俳優チュ・ジョンヒョク、意外な経歴からスターダムにのし上がる【インタビュー】

2022年08月27日 話題 #韓国ドラマ

心温まるストーリーで大きな愛を受けた人気韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(以下、『ウ・ヨンウ』)にも悪役がいた。まさに、それが新人弁護士の“腹黒策士”クォン・ミヌだ。世界平和を壊そうとする真の悪党と比べれば可愛いものだが、実績のためにあらゆる悪行を犯すシーンは視聴者の怒りをかった。

【注目】チュ・ジョンヒョク、SNSが大炎上のワケ

しかし、露骨に非難はできない。生き残ろうともがく姿がハイパーリアリズムだ。恥ずかしさもなく、偏見を表す場面もどこかで向き合ったはずだ。それが、ひどいが説得力があった。

俳優のチュ・ジョンヒョクは、このような人物をリアルに表現し、毎話、視聴者をストーリーにのめりこませた。キャラクターの苗字「クォン」が入った悪い言葉は、全て彼のニックネームになったようだ。

(写真=BHエンターテインメント)チュ・ジョンヒョク

想定内の叩かれよう

最近、ソウル中区(チュング)の本紙『スポーツソウル』の社屋で会った彼は、「演技をしながら、自分でも『本当にひどい。すごく叩かれそうだ』と思った。“腹黒策士”はもう慣れた。でもチュ・ジョンヒョクを叩くのはちょっと違うんじゃないか。僕のあだ名がそうだったら、人生を振り返って反省するはずだが、とても満足している」と笑った。

カジュアルな服装をしたチュ・ジョンヒョクは、ビックリするぐらい気さくだ。なによりも、丁寧かつ親しみやすい言葉遣い、友人の中で一番ハンサムな友人に会ったように、人間的な魅力が目立つ人だった。

現時点で、最高の人気を博している俳優らしくなくて新鮮だった。7月25日、映画『非常宣言』のVIP試写会で歓呼され、落ち着かない姿そのものだ。

「32年間見たことなかった私の表情を見た。あんなに震えたのは初めてだった。そんな歓呼を受けたことがないので聞き間違えかと。私がソン・フンミン選手(韓国のサッカー選手)になったと思った(笑)最近、『HUNT』のVIP試写会にも行ったが、イ・ジョンジェ先輩とチョン・ウソン先輩の間に挟まって写真を撮る自分自身が誇らしかった。芸能人じゃないか。今、インタビューしていること自体も不慣れで不思議だ」

視聴率0.9%(以下、ニールセンコリア基準)で始まった『ウ・ヨンウ』は、自己最高記録17.5%で最終話を迎えた。数字だけを見ても優秀な成績だが、新生チャンネルENAの編成だったという点で異例の成功と評価されている。姻戚の八親等まで連絡が来るほど、シンドローム級の人気ぶりだった。

(写真=BHエンターテインメント)チュ・ジョンヒョク

「これまで、テレビドラマをあまりしてこなかったので視聴率に対する勘がなかった。『たくさん見れば上がるのではないか』と単純に考えていたが、人々の反応を見ながら『すごいことだ』と実感するようになった。訓練所で3日間一緒にいた人たちからもDM(ダイレクトメッセージ)がたくさんくる」

予想外の人物に大感謝

予想もしなかったアーチェリー選手の支援射撃もあった。

せこいクォン・ミヌを見かね、SNSに「“腹黒策士”、お前そんな風に生きるな」「後頭部に気をつけろ“腹黒策士”、俺の70m先に立つな」などの文を掲載したのだ。さらに「ヤン・セチャンに似てる」という反応まで加わり、配役自体が大きな話題を集めることになった。

チュ・ジョンヒョクは「とてもありがたい方だ。矢を打たれたくなるほど感謝している。ツイートしてくれて本当にありがたかった。ヤン・セチャンさんにも感謝している。喜ぶかは分からないが、私が見てもとても似ている。不思議だった」と話した。

自他共に認める「怒りの誘発者」だったが、劇序盤にはむしろ偏見のないキャラクターとして言及された。ウ・ヨンウ(演者パク・ウンビン)の障害より、天才性に焦点を置いて彼を牽制するという点でそうだった。しかし、役者自身は全く予想できなかった反応だったという。

「最初からそのように考えて演技をしなかった。実は、その反応が不思議だった。僕をこんなに良く思ってくれるから、第5話が出なければよかった(笑)。僕も善良な人で出たかった。ウ・ヨンウとクォン・ミヌのケミストリーも気に入ってくれて、そのような部分は台本にもあった。ミヌの人間的な感じが見えるだろうと思った」

ただ、クォン・ミヌを立体的な人物として描こうと努力したのは事実だ。

これに対し、放送に出ない可能性もある法廷でのリアクションまで気を使ったという。

「クォン・ミヌというキャラクターが多彩に見えたらと思い、人間的な姿も見せたかった。パン・グポン(演者ク・ギョファン)が最後に法廷に立って子供たちと交感する時、クォン・ミヌが、フっと笑う。ミヌとしてもすごく感動したと思ったし、これをそのまま表現したかった。台本にはなかった。私だけが知っていたのに、分かってくれた方々がいて嬉しく、感謝している」

(写真=チュ・ジョンヒョクSNS)

『ウ・ヨンウ』は俳優個人の演技力はもちろん、出演陣の阿吽の呼吸が目立つ作品だった。本当の友人として生まれ変わった彼らのケミストリーが一役買ったようだ。

「オーディオが空かないほどだった。8カ月間空けたことがない。みんな、すごく面白い。僕はリアクション担当だったが、つっこみたいのに彼らのレベルに及ばなかった。演技する時もとてもたくさん学んだ。パク・ウンビン俳優は『こういう人が主人公になるんだ』と思った。僕と同じ年頃なのにすごいなあって。(カン)ギヨン兄さんはセンスがあって、どうすればそのシーンが豊かになるのか分かる。ユンギョンもどんな役割を担っても、誰とくっついてもよく受け止めてくれる俳優だ。(カン)テオは本当に準備も悩みも多く、よく合う部分が多い。メッセージアプリで会いたいとしつこく言っている」

『ウ・ヨンウ』の成功をおいても、チュ・ジョンヒョクの発見は予告されていた。彼はKAKAO Mアクターズオーディションで700対1の競争率を突破している。

「私の人生の奇跡だった。『準備は頑張ったが、(1位に)なりたいとは思わなかった。年齢もあるから当然駄目だと思った。だけど、独立映画をやっていたときで、演技がとても楽しかった。評価を受けたかったことが大きい。そのため気楽にやった。その姿をよく見てくれたようだ」

両親のおかげで大スターに?

このような経歴を聞くと幼い頃から俳優志望だったと思われがちだが、彼は自分の名前を取ったホテルを経営するのが夢の留学生だった。兵役のため、韓国に戻り、クルーズ乗務員になりたくてバーテンダーの仕事を始めた。そして、お客さんとしてPDに会い、俳優の道が開かれた。

「よく来ていたPDさんと親しくなったが、広報映像を撮ってみないかと言ってくれた。当時は演技に関心がなかったが、2週間撮ってみたら大変だったけど面白かった。そうやって独立映画にも挑戦し、今にいたる」

俳優としてデビューするには少なくない20代半ばだったが、焦りは全くなかったという。それは、チュ・ジョンヒョク自身の選択をいつも信じて支持してくれた両親の影響も大きかった。

「両親は一度も反対しなかった。だから楽しくできた。代わりにアルバイトを続けた。『家賃さえ払えればいい』と思い、お金に大きな欲がなかった。演技が上手になりたいという思いしかなく、面白かった。性格も楽天的な方だ。性格を変えようかと思ったが、できなかった。クォン・ミヌのように誰かを踏み台にいたり、こうはできない。『みんな同僚だから頑張ろう』マインドだ。生まれつきどうしようもないようだ。僕の仕事にただ最善を尽くすだけだ」

スターダムに上がったが、変わったことはない。依然としてオーディションを受けているという彼は、“Back to the basic”を叫びながら演技だけに欲を出すと話している。

「『ウ・ヨンウ』がうまくいったから、僕が見えた。いつも最善を尽くして演技をしたし、これからもそうしようと思う。今もオーディションを受けている。“腹黒策士”のような新しいニックネームをまた作りたいという欲がある。ユニークな俳優として残りたい。多くの先輩たちの長所を吸収して自分だけの道を進みたい」

(写真=BHエンターテインメント)チュ・ジョンヒョク

そうやって、チュ・ジョンヒョクは野心に満ち溢れた姿で、今後の歩みを一層期待させた。

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