度を越えた誹謗中傷、脅迫、ストーカーに苦しむ韓国の芸能人たちが、これらへの対応を公開的に行い、注目を集めている。
最近、韓国のとあるネットユーザーA氏は、タレントのホン・ソクチョンに「猫のSNSフォローのお願いを断られた」という理由で議論を巻き起こした。
去る3月8日、ホン・ソクチョンは自身のSNSを通じ、A氏から誹謗中傷やメールテロを受けていることを明らかにした。これによると、A氏は自分の猫のアカウントのフォロー要請が断られるや否や、メッセージ爆弾や偽善者、猫嫌い、強制的なアウティングなどの記事を書かせ、「奈落に落とす」という誹謗中傷とともに脅迫メールを送ったという。
【関連】「もう二度と経験したくない」芸能人への“悪質コメント”で告訴された韓国ネットユーザーの体験談
このSNSを見たClick-Bのキム・サンヒョクが「虚偽で他人の人生を台無しにするなら、お前の人生もそうなれ。ヒョン(兄さん)、頑張ってください」と応援する書き込みをすると、A氏は法的措置を主張し、自身のSNSに「民事訴訟で侮辱罪の和解金を多く受け取る。とても悪口を言う方が多いようだが、キャプチャーをして通報してくれれば、告訴勝訴後の慰謝料の半分を分けてあげる」と伝えた。
度を越した誹謗中傷に悩まされる有名人たちは、悪質コメントをしたユーザーのアカウント名を公開する方式で対応を行っている。
女優シン・ジスは最近、自身のSNSに書き込まれた誹謗中傷をキャプチャーし、逆質問を行った。女優イ・ユビも誹謗中傷を公に露出させ、「やることないんですか?早くどこかに行って、自分の人生を生きてください。いつもファイティン!」と厳しい忠告を送った。
そのほか。俳優キム・ウィソンも自身に届いた誹謗中傷のDMを公開し、「ゴミのようなDMを贈る人に、“お前がひそかに送った戯言が人前に展示されることもあり得る”ということを知らせたかっただけ」と皮肉った。
誹謗中傷は決して軽いものではない。誹謗中傷を“した側”からすれば軽い発言なのかもしれないが、これらに耐えなければならない被害者、特に有名人は理由もなく受ける非難で精神が疲弊する。芸能事務所各社も「誹謗中傷に対し善処なく強硬対応するつもりだ」と警告し、誹謗中傷をした人たちが軽い処罰で終わらない洗礼を作るために努力している。
歌手IUや女優シン・セギョンの所属事務所EDAMエンターテインメントは去る1月21日、公式SNSで「誹謗中傷をした人たちが善処や合意を求めてくるが、これらには一切応じないつもりであり、今後も継続的なモニタリングを通じて管理していく」と発表した。
所属事務所が強硬対応をしている理由は、所属アーティストを保護するためでもあるが、誹謗中傷を掲載する人に対し誹謗中傷の重さを知らせ、誹謗中傷という悪習を断ち切るためでもある。
顔が広く知られている芸能人たちは、誹謗中傷や虚偽の流布はもとより、脅迫やストーカーも加わるなど“有名税”に苦しんでいる。
去る2月27日、歌手兼俳優のRAIN(ピ)と女優キム・テヒ夫婦の自宅を2年前から数回訪問し、インターホンを鳴らした40代の女性が現行犯逮捕された。RAINの所属事務所は2020年10月にも、プライバシーの侵害行為を自制するよう要請し、CCTVのキャプチャーも公開している。
女優クァク・ジニョンも、4年という長い間ストーカーに苦しめられてきた。
クァク・ジンヨンは今年1月1日に放送されたSBS『それが知りたい』に出演しストーカー被害を告白した。このストーキング班はクァク・ジンヨンから電話とメールがシャットアウトされると、1ウォン(日本円=約0.1円)ずつ口座振込をしてまで脅迫と誹謗中傷を行った。また、自宅や経営する店を訪れて騒ぎを起こしたこともあった。
これにより、クァク・ジンヨンは今も知らない番号からの電話に毎回苦しみ、報復を恐れている。ストーカー被害に苦しんだ彼らは、いつまた自分のプライバシーが侵害されるかを恐れる気持ちで、過ちを犯した加害者よりも隠れて生活をするようになる。
芸能界ではすでに誹謗中傷やデマによって大切な人を失った経験を多くしている。2019年のf(x)出身ソルリさん、KARA出身ク・ハラさんがその例だ。
生前に輝かしい活躍を見せた彼女たちに対しても、理由も根拠もない誹謗中傷が飛んでいた。結局、誹謗中傷をした者たちは匿名性だけを頼りに、軽い気持ちで投げた石で彼女たちを殺した。
最近でもバレーボール選手のキム・インヒョクさん、BJジェンミさんも、誹謗中傷やデマに悩まされた結果、極端な選択をすることになった。
芸能事務所や企画会社は最近、誹謗中傷を始め虚偽事実の流布など、プライバシー侵害性の脅威に対し公開的に強硬対応する姿勢を示し、悪循環を断ち切ろうと努力している。
ポータルサイトも誹謗中傷による弊害を防ぐため、芸能ニュースやスポーツニュースのコメント欄を廃止。NAVERは誹謗中傷を減らすため、2020年からニュースのレス作成者のレス活動履歴、ニックネームを公開するなど、レス履歴制を導入した。
しかし、スターや企画会社の強硬対応、ポータルサイトの努力にもかかわらず、誹謗中傷やデマは急激に減ったり消えたりすることなく、オンラインコミュニティを通じた暴露、SNSなどを通じてさらに巧妙化している。
このため、オンライン上における名誉棄損の手続きを簡素化し、誹謗中傷をした人に対する処罰を強化し、警戒心を植え付ける必要があるという指摘が相次いでいる。
【相談窓口】
一般社団法人日本いのちの電話連盟(電話、メール相談可能)
TEL: 0570-783-556=ナビダイヤル 午前10時から午後10時まで
https://www.inochinodenwa.org
東京自殺防止センター(電話相談可能)
TEL: 03-5286-9090 https://www.befrienders-jpn.org
■“悪質コメント”理由で整形繰り返す韓国の女芸人、鼻の再手術を堂々告白
前へ
次へ