1年7カ月の間に若い男女選手2人の悲報…韓国バレーボール界で悲劇が続く理由、対策は?

韓国バレーボール界に再び悲劇が起きてしまった。

韓国プロバレーVリーグ男子、サムスン火災ブルーファングスに所属するキム・インヒョクさんが去る2月4日、自宅で亡くなったまま発見されたのだ。

【全文】「化粧はしていない。耐えられない」故キム・インヒョクさんストレスを吐露

警察の調査の結果、他殺の痕跡は発見されず、身辺を悲観する内容のメモが発見されたとみられ、自ら“極端な選択”をしたと推定される。警察は追加調査の有無を判断した後、捜査を終結する予定だ。享年26歳。

1995年7月14日生まれのキム・インヒョクさんは、2017年の新人ドラフト2ラウンド3位で韓国電力に入団した。2019-2020シーズンまで韓国電力でプレーし、2020年11月にサムスン火災に移籍。今シーズンは2試合に出場し、昨年12月に病気のためチーム練習から抜け、球団指定の病院で治療を受けていた。

キム・インヒョクさん
(写真提供=KOVO)キム・インヒョクさん

キム・インヒョクさんは、2020年7月に突然この世を去った女子バレー選手コ・ユミンさん(享年25歳)とも親しい友人だった。

明確な理由はわからないが、キム・インヒョクさんは悪質なコメントやメッセージによって、普段から心を苦しめていたとされる。実際に昨年8月、悪質コメントの苦痛を訴えたこともある。コ・ユミンさんも同じ理由で心の傷を大きく受けたりした。

揺れる韓国バレーボール界

わずか1年7カ月の短い期間に若い選手が2人も亡くなっているだけに、韓国バレーボール界には大きな衝撃が走った。いつ、また同じような悲劇が起こるかわからないという懸念のなか、選手たちのメンタル管理が緊急に必要だという声が出ている。

コ・ユミンさん
コ・ユミンさん(右)

最近、Vリーグ選手たちは急激に大衆の関心を受けている。プロバレーボールが冬を代表するスポーツとして定着し、人気が上がったことで、選手たちもオン・オフライン上で話題の中心に立った。ポジティブな効果が大きいが、一方でネガティブな現象も起きている。

代表的なのが、悪質なコメントやメッセージだ。韓国のポータルサイトではニュースコメントをつけられないようになったが、その反動からか、選手個人のSNSに悪質コメントをつけるユーザーが少なくない。個人メッセージを通じて、嫌がらせを受ける選手も多い。ポータルオンライン中継のチャットウィンドウなどを見ると、口に出したくない言葉を書き込む悪質な視聴者も目につく。

悪質コメントをブロックすることが根本的に重要だが、現実的には難しい課題だ。悪質ユーザーをいちいち告訴したり、法的措置をとったりする以外は具体的な方法がない。

だからこそ重要なのがメンタル、心理管理だ。急激に大衆の関心を受ける選手は、良いことでも悪いことでも心理的に圧迫を受けることになる。まだ20代に過ぎない若い選手たちは、特に情緒的に不安な状態が続く。プレーに対する負担とプレッシャーがある状況で、悪質コメントという外的な要素まで加わると、メンタルが崩れることがある。

過去の選手たちは大衆と遮断されており、バレーボールだけ上手ければ良い環境だった。しかしメディアへの露出の頻度が増えた選手たちは、今や世の中と頻繁にコミュニケーションしており、それだけに多様な不確定要素に露出されている。指導者と球団の次元で選手管理の新しいパラダイムを見つけなければならない。

とあるバレーボール関係者は、「各球団で選手たちの心理管理を上手くしなければならないようだ。普段から細かく選手たちの心理状態を把握し、自覚のない心の病気のある選手たちを見守らなければならない。特に試合にあまり出場できない選手が“死角地帯”に置かれないように気をつけることが必要だ。過去とは異なる選手管理法が必要な状況だ。指導者たちも試合、トレーニングだけではなく、視野を広げる変化を受け入れなければならない」と話した。

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