アジア・フィルム・アワードで2冠(主演男優賞・新人監督賞)に輝くなど、アジアの各映画賞を席巻中の話題作『声もなく』が、2022年1月21日より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開となる。
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世界が注目する韓国映画界において、若手演技派の筆頭株として知られるユ・アイン(『バーニング 劇場版』など)が、無名の新人監督の低予算のオリジナル脚本作品に出演したことで、韓国での公開前から大きな話題となっていた本作。
Netflixで配信中のドラマ『地獄が呼んでいる』が話題の主演ユ・アインと、ユ・アイン演じるテインの相棒を演じたユ・ジェミョン(『梨泰院クラス』など)、そして本作で長編デビューをはたした監督のホン・ウィジョンが映画制作の裏側を語るメイキング映像が、今回解禁となった。
一切セリフがない難役に、体重を15kg増量して挑んだユ・アインは、ベテラン俳優たちを抑え、韓国のアカデミー賞と呼ばれる青龍賞で最優秀主演男優賞を受賞し、韓国のゴールデングローブ賞とも称される百想芸術大賞では最優秀演技賞を受賞した。
さらには、アジア各国の映画が対象となるアジア・フィルム・アワードでは、『すばらしき世界』の役所広司もノミネートに並ぶなか、見事最優秀主演男優賞を獲得するなど、主要映画賞を総なめにしている。
また、自身によるオリジナル脚本によってデビューをはたした1982年生まれのホン・ウィジョン監督は、犯罪映画の常識を覆すユニークな演出と個性的なキャラクター描写で、切なさとアイロニーの入り混じる全く新しいサスペンス映画を作り上げ、青龍賞と釜日映画賞、アジア・フィルム・アワードで新人監督賞を受賞しただけでなく、百想芸術大賞では新人の枠を超え監督賞を受賞した。
ホン監督は、その巧みな演出力とともに、社会性とエンターテインメント性を見事に融合させた脚本も高く評価されており、青龍賞、百想芸術大賞、アジア・フィルム・アワードで脚本賞にもノミネートされた。世界各国の映画祭で話題をさらった『はちどり』(2018年)のキム・ボラ監督と並ぶ、80年代生まれの女性監督が彗星のごとく現れた。
貧しさゆえ犯罪組織からの下請け仕事で生計を立てる口のきけない青年テインと相棒のチャンボクは、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒを預かる羽目になり、期せずして誘拐犯罪に巻き込まれていく。犯人と人質という関係でありながら、社会に居場所を持たない彼らはいつしか疑似家族のようになっていくが、彼らの“誘拐”は予測不可能な事態へと向かっていく。
本作は、「期せずして誘拐犯になってしまった男」と「女児であるがゆえに親に身代金を払ってもらえない少女」、出会うはずのなかった者たちの巡り合わせを切なく描き、韓国社会で生きる声なき人間たちの孤独感を浮き彫りにした珠玉のサスペンスだ。
今回公開となったメイキング映像では、主演のユ・アインとユ・ジェミョン、そしてホン・ウィジョン監督が登場し、本作の制作の裏側を語るほか、撮影風景を披露。
劇中で一言も言葉を発さないテイン役を演じたユ・アイン自身が、テインというキャラクターについて語り、テインの相棒チャンボクを演じるユ・ジェミョンが、チャンボクとテインの関係性についてコメントするなど、映画の背景をより深く知ることができる貴重な映像となっている。
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