“祝祭”と呼ばれる韓国の年末歌謡祭が新型コロナの感染拡大によって、張り詰めた緊張感から抜け出せずにいる。
地上波3社の年末歌謡祭は、K-POPファンには欠かせない年次イベントのひとつだ。「芸能大賞」「演技大賞」とは異なり、年末歌謡祭はみんなで一緒に楽しむイベントとなって久しい。特にK-POPに対する世界の関心が、これまで以上に大きい。それだけに新型コロナによって生放送のステージや観客の参加にある程度制限がある状況でも、ファンの期待は高い。
KBSが最初のスタートを切った。去る12月17日に行われた「2021 KBS歌謡大祝祭」にはSEVENTEEN、NCT U、Red Velvet、OH MY GIRL、カン・ダニエル、THE BOYZ、Stray Kids、ITZYなどが出演し、多様なユニットステージを繰り広げた。
特にTOMORROW X TOGETHERとENHYPENは、第1世代アイドルであるH.O.T.からグローバルスターBTSまで、なんと8チームのカバーステージを飾り、OH MY GIRLとStray Kidsはそれぞれ孤石亭(コソクチョン)と南韓山城を背景にパフォーマンスを繰り広げた。またOH MY GIRLジホ、Brave Girlsユナ、ITZYチェリョンとユナ、STAYCシウンとユン、IVEウォニョンとユジンが集まったF9は、少女時代の『Way To Go』を再解釈し、明るく力強いエネルギーを伝えた。
しかし韓国国内で新規感染者数が1万人に迫り、オミクロン株による感染者が増えながら、懸念の声も大きい。放送会社は防疫を最優先にして進行するが、オンラインなど非対面方式を適切に活用する方法を議論中だ。
「2021 KBS歌謡大祝祭」はワクチンパス、あるいはPCR検査の陰性結果が確認された観客に限って入場を許可した。レッドカーペットイベントは非公開に切り替えられた。
それでも多くのアーティストやスタッフが密集するうえ、観客を入れるイベントもあるため、心配は尽きない。NU'ESTのRENが新型コロナ感染者と動線が重なり、歌謡大祝祭に参加しなかった。12月18日にはアメリカ現地で公演を行ったVERIVERYのメンバー、ヨンスンが感染し、スケジュールを全面キャンセルした。
他にもガールズグループKep1erはデビューを控えてメンバーが感染したことでデビューを延期し、「2021 MAMA」を通じて3年ぶりの再結成ステージを飾ったWanna Oneもステージ事前録画リハーサルに参加したWanna Oneチームのスタッフ1人が感染したと診断され、リハーサルが中断される痛い状況を経験した。
そんな懸念が混じった視線のなかで、12月25日に行われる「2021 SBS歌謡大戦」は、2年ぶりにオフラインで観客を迎える。SBSもKBSと同様に防疫パスはもちろん、厳格な防疫指針に従ってイベントを開催するという立場だ。
現場に出入りする出演陣とスタッフは防疫パス適用のほかにも、セットアップ期間から生放送終了まで全期間、毎日新型コロナ自己診断キット検査を行う。指定席以外のスタンディング観覧、公演中の席移動、声援など、現在非正規公演施設イベントで許可されていない観覧行為はすべて禁止される。
「2021 SBS歌謡大戦」には、NCT 127、NCT DREAM、NU'EST、Red Velvet、OH MY GIRL、Brave Girls、ASTRO、THE BOYZ、Stray Kids、ATEEZ、TOMORROW X TOGETHER、STAYC、aespa、ENHYPEN、IVEなど、計25チームが参加する予定だ。
12月31日の放送で、新年のカウントダウンを共にする「2021 MBC歌謡大祭典」は、イベントまで2週間ほどの時間が残っているだけに、韓国政府の「社会的距離確保」政策の強化措置を見守って対面イベントにするかどうかを決定するという立場だ。
年末授賞式に出席する人々の反応も分かれている。
とある授賞式の関係者は、「昨年から年末の授賞式が観客を受け入れていない。だが、歌謡大戦だけは観客と一緒に作っていくという祭の意味が大きいため、大変な状況でもオフラインで観客を受け入れた」とし、「現場で感染者が生じれば放送局も大きな被害を受ける。それを防止するために防疫を徹底的に守ろうと努力中」と強調した。
一方で、芸能会社の関係者は「もし授賞式で感染者が出れば、今後のスケジュールにも影響を及ぼすため慎重だ」とし、「特に全出演者がみんなで集まるステージは正直、負担が大きい。また放送局ごとに具体的な防疫方針が少しずつ違っていて、混乱することもある」と打ち明けた。
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