広がりつつあるK-POPダンス・ブームの実態【日本の中の韓流、15年目の現在地】

2019年05月05日 K-POP

当時は東方神起にBIGBANG、KARAや少女時代などが日本に上陸し人気を博した第2次韓流ブームの真っただ中。テレビやインターネットのYouTubeで流れるアイドルたちのダンス練習動画を見て振り付けを覚え、仲間同士集まって練習する若者たちが増えていた。

「私はSHINeeのダンスのレベルの高さに衝撃を覚えた(笑)。それでダンサー仲間と一緒にレンタルスタジオを借りてK-POPに特化したレッスンを不定期に始めたら希望者が増えた。月2回が月3回、月4回を実施しても途切れず、2011年からK-POP専門のダンススタジオとして、本格的にスタートすることとなった」

同時に、2011年9月には『KP SHOW!』というイベントもスタートさせた。

もともとは受講者たちが練習の成果をお披露目する発表の場となる予定だったが、K-POP愛好家たちのダンス同好会や学生たちのチームが自然と集まるようになり、受講者だけではなく、一般も参加するK-POPカバーダンス・イベントになった。町田氏は語る。

「ライブハウスなどを借りて年に3回実施しており、今年の2月で20回目を行った。1回の開催でおおよそ50~60組ほどにご出演いただいている。

一般的なダンスイベントと異なるのは、コピーの魅力や美学もあること。ダンスのクオリティだけでなく、いかに本人たちに近づけるかを追求するチームもいらっしゃる。振り付けだけではなく、衣装に髪型、さらには憧れのアイドルが出演した特定ステージでの仕草や咳払いまで、忠実に再現する。

有名なダンスチームになると固定ファンもいらっしゃって、会場まで足を運んで応援してくださる。本人のファンのお客様であれば、“あの動きは〇△公演での動きだ”と熟知しているので反響も凄い。まるで本物のアイドルコンサートのような盛り上がりだ」

その熱気は、韓国と日本の政治関係が冷え込み始めた2012年夏頃から落ち着いてしまった時期もあったが、決して萎むことはなかったという。受講生もさほど減らなかったらしい。

町田真吾氏

「当然ながら受講生のほとんどがK-POP好きという共通点があるため、スクール内でコミュニティも作りやすいようだ」

レッスンで初めて出会って意気投合したかと思えば、レッスン後にもロビーでお菓子を食べながら「先月のライブに行った」とか談笑していることが多く、気の合う受講生同士で韓国に旅行に行ったという話もよく聞く。

「それどころか最近は親子で参加する受講者も増えた。母と一緒に踊れるダンスはないかと相談してきた娘さんもいるほど。普通のダンス・スクールでは考えられないことだ」

そんなK-POPダンス人気が最近は特に低年齢化が進んでいる。きっかけとなったのは2017年になってから日本でも人気のTWICEやBTSだ。

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