今や時代の寵児となり、世界一有名なグループと言っても過言ではないBTS。彼らの勢いはとどまることを知らない。
10月24日に開催されたオンラインライブ『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE』は、BTSの1年ぶりのライブということもあり、世界中のARMYが注目する場となった。
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この日のライブは世界197カ国から視聴されたそうだ。最大同時視聴数は明かされていないものの、彼らの持つ影響力と人気を考えると莫大な数字だったことは言うまでもない。
そして11、12月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されるオフラインライブは、当然の如く即完でプラチナチケットに。まだまだコロナ禍が終結したとは言えない状況だが、生で観たいのは当然だろう。
このように、世界的ポップグループへと成長したBTSだが、トップに至るまでどのような記録を作ってきたのだろうか。アジア人アーティストのパイオニアとして活躍するBTSが記してきた、偉大な足跡を数字で辿ってみた。
まずBTSが産声を上げた韓国では、CDの売り上げで“史上初”の記録を打ち立てている。
HANTEOチャートでは、2018年にアルバム『LOVE YOURSELF轉 'Tear'』が初動売り上げ100万枚を突破したのだが、これは1993年の同チャートのサービス開始以来、初の事例だという。
また同年、アルバム『LOVE YOURSELF結 'Answer'』は累積販売量203万3475枚を記録した。こちらもGAONチャートの累計集計史上最多販売量として、今も自己記録更新中だ。
一部抜粋して紹介したが、これはまだまだほんの一部だ。競争が激しく、BIGBANG、BLACKPINKといった世界的アーティストも存在する韓国音楽界において、このような大記録を作り出すあたり、さすがBTSといったところだろう。
そしてBTSは、日本でもその人気を存分に発揮している。
日本最大の音楽ランキング「オリコン」では、日本ベストアルバム『BTS, THE BEST』が海外アーティストとしては初の累積1万ポイント(CDの売上枚数、ダウンロード数、ストリーミング再生数をオリコンが独自集計したもの)超えを果たした。これは嵐の『5×20 All the BEST!! 1999-2019』、米津玄師の『STRAY SHEEP』といった日本のトップアーティストに次ぐ記録ということもあり、尋常ではないことが伺える。
そして日韓のみならず、エンタメ大国のアメリカにもBTSの名は轟いている。
今年の8月、米ビルボードのメインシングルチャート「HOT100」で、『Butter』が計10週にわたって首位に立ったことは、多くの人が驚いたはずだ。これは2021年の1位最長記録(10月28日時点)にもなり、BTSは長い音楽史にその名を刻むこととなった。
あのビートルズの記録に迫ったことでも話題となった。
BTSとColdplayがコラボした『My Universe』は去る10月、『Dynamite』『Savage Love』リミックスバージョン、『Life Goes On』『Butter』『Permission to Dance』に次いで、「HOT100」の頂点に立った。
ビルボードはこの記録について「BTSは『Dynamite』以降、今回の『My Universe』まで計6曲をランキング1位に押し上げた。約1年1カ月の間に6曲が1位となったのは、1964~1966年のビートルズ(1年2週間)に次ぐ、最短期間の記録」と伝えている。
またビルボードにおけるアジア人アーティストという括りでも快挙も成し遂げており、『Dynamite』が2020年9月5日付のチャートで初登場1位を獲得したのだが、これは1963年6月に坂本九の『SUKIYAKI』(『上を向いて歩こう』)が獲得して以来、なんと57年ぶりのことだった。
なお、言葉の壁を越えて歌を届けている、BTSならではの“珍記録”も存在するようだ。
今年の4月には、日本語曲の『Film out』が「HOT100」で81位を記録したことで、英語曲の『Dynamite』、韓国語曲『Life Goes On』の3カ国語の楽曲が同時に名を連ねることとなった。
特に、「HOT100」は音源のダウンロードとストリーミング、ラジオ番組で流れた回数、YouTubeでの再生回数などを集計して順位をつけているだけに、アメリカのラジオ番組での再生回数が重要な影響を及ぼすチャートとして知られている。
そのような仕組みの中で、韓国語や日本語の曲がランクインすることは決して容易ではない。言葉の壁を越えてBTSの楽曲が人気を集めている証拠だろう。
BTSは、かの有名なイギリスのギネスワールドレコードにも名を刻んでいる
「最も多くの視聴者が観たライヴ・ストリーミング音楽コンサート(『BANG BANG CON The Live』)」や「公開後24時間以内にSpotifyで最も多くストリーミングされた楽曲(『Butter』)」「Spotifyで最も多くストリーミングされたグループ」を筆頭に、2021年までに計23個のギネス世界記録が認定されている。
ギネスはBTSの新記録や活躍を紹介しながら、「BTSは現在の文化界に一線を画した。軽快なサウンドと、あっと驚くほどに素晴らしいダンスだけでなく、完璧さと共感を得るための絶え間ない努力こそ、BTSが当代最高のグループになった秘訣」と評価している。
アジアのみならず、世界規模で記録を更新し続けているBTSだが、これらはまだ序章にすぎないのかもしれない。今後、彼らがどんな記録を作り、歴史を刻んでいくのか、一瞬たりとも目が離せない。
(文=高 潤哲)
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